タイトル | カテゴリー主成分分析による農協米マーケティング力の計測手法 |
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担当機関 | 三重科技 |
研究期間 | 2000~2002 |
研究担当者 |
大泉賢吾 |
発行年度 | 2002 |
要約 | 農協の米マーケティングに関する行動と意識(実行、計画、必要、不要)を調査し、カテゴリー主成分分析によって形成される主成分と農協の回答からマーケティング力が数値比較できる手法を明らかにした。中部・東海・北陸の農協米マーケティング力を計測したところ、新潟県の農協の数値が高いことなどが分析された。 |
背景・ねらい | マーケティングは農協の米販売に不可欠なものであり、このマーケティング力の把握・評価は非常に重要になる。マーケティング対応は、その多数の要素への取り組みを実行または計画している段階、あるいは必要と認識してだけの段階など複数のカテゴリーから把握することができる。この多段階のカテゴリーと多数の要素で構成されるものをマーケティング力として総合化・数量化する場合は、数量化理論を用いても実用上有効な分析結果を得ることが難しい。そこで、カテゴリー主成分分析を用いて、農協の米マーケティング力を数値化する分析手法を構築する。 |
成果の内容・特徴 | 1. マーケティング要素は、関連諸文献を参考に各農協の取り組みが具体的に分かることを基本に4P(価格を除く)及び需要獲得活動で構成し、ニーズ調査・分析(4要素)、製品・サービス(4要素)、チャネル(5要素)、プロモーション(6要素)に設定した(表1)。 2. アンケート調査の回答カテゴリーは、マーケティングへの取り組みへが具体的に把握でき共通認識が得やすい選択肢とする。各要素に対して既に取り組みを実行しているか実行したレベルを「実行」、実行に向けて計画中または試行段階にあるレベルを「計画」、必要だと思うが計画も実行もしていないレベルを「必要」、取り組みの必要がないと思う又は特に考えていないレベルを「不要」の各段階とする。 3.分析はこの多段階のカテゴリーと農協の関係を計量的に解析できるカテゴリー主成分分析を用い、寄与率の大きい主成分がマーケティング力を形成する総合要素と捉える。これは図1に示す分析事例の第1次元の主成分(総合力)である(図1)。 4. 各要素別に数量化されたカテゴリーと各農協の要素別回答から、個々の農協のマーケティング力を求める。分析事例におけるマーケティング力は、表2のように数値データーとして農協比較が可能になる。 5. 中部・東海・北陸の農協を対象とした分析では、ベストスコア20に新潟県の9農協が位置していることなどから、新潟県の農協マーケティング力が高いと評価できる(表2)。また、「実行、計画、必要、不要」の数値差は、ニーズ調査・分析関連の要素で大きく、チャネル関連の要素で小さいことから、ニーズ要素がマーケティング力の形成に寄与するレベルが大きいことが示されている。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 提示した分析手法は、マーケティング力計測の一手法である。 2. この分析は、特定の統計分析ソフトが必要である。 |
図表1 | |
図表2 | |
図表3 | |
図表4 | |
カテゴリ | ニーズ分析 |