タイトル | セイヨウナシ「越さやか」の側枝育成・結実管理・収穫追熟技術 |
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担当機関 | 育種科 |
研究期間 | 1997~2001 |
研究担当者 |
山澤康秀 松本辰也 藤巻伸一 本永尚彦 |
発行年度 | 2002 |
要約 | 「越さやか」の平棚栽培における安定生産のため、せん定では予備枝を利用して優良な側枝を育成する。人工受粉はニホンナシの花粉を利用し、仕上げ摘果は満開後40日頃から実施する。収穫適期は満開後145~150日頃。追熟には10~14日を要するが2℃予冷により可食期の調節が可能である。 |
キーワード | セイヨウナシ、越さやか、結実管理、せん定、収穫、追熟 |
背景・ねらい | 新潟農総研・園芸研究センターで育成された「越さやか」は栽培しやすく品質の良い中生品種であることから新潟県では優良品種に位置づけ普及を図っている。1999年から現地への苗木供給を開始し、2002年から結実も増加しているが、安定的な栽培技術は未確立である。そこで、平棚栽培における安定生産のための栽培技術を開発する。 |
成果の内容・特徴 | 1. 側枝育成技術 (1) 中・短果枝が多く着生した優良側枝を育成するために、せん定時に長さ70~100cm、基部径6~8mm程度の1年枝の先端を1/4程度切りつめ、予備枝として利用する(図1)。 (2) 間伐樹や強勢樹における結実確保の補助的手段として、1m以上の強勢な1年枝を切りつめずに予備枝として誘引することにより花芽確保を図ることもできる。 2. 結実管理技術 (1) 人工受粉にはニホンナシの「新興」や「二十世紀」の花粉が利用できる(データ略)。 (2) 予備摘果は花芽着生が多い場合に行う。不受精果が明らかとなる満開30日後頃から始め、1果そう1果とする(図2)。満開後45日頃まで生理落果があるため、仕上げ摘果は満開後40日頃から実施する。 (3) 袋掛けは外観向上と腐敗果防止のために6月中旬までに実施する(データ略)。 3. 収穫、追熟技術 (1) 収穫は9月20日頃、満開後日数145~150日を目安とする(表1)。早採り果は小果で酸味が強い。採り遅れると肉質の粉質化や水浸状果が多くなる(データ略)。 (2) 常温では10~14日で完全に追熟するので、早めに出荷調整を行う。2℃で予冷することにより可食期を調節することが可能である(図3)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 摘果後の着果数は12,000果/10a程度とする。 2. 追熟後の果皮の褐変は少ないが、果皮が薄いので取り扱いに留意する。 3. 「越さやか」の特性(樹性、栽培性など)については、北陸農業研究成果情報第15号101頁を参照。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
図表4 | ![]() |
カテゴリ | 栽培技術 収量向上 出荷調整 受粉 品種 |