タイトル | 交雑種哺育牛に対するリサイクル牛乳給与方法の検討 |
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担当機関 | 神奈川畜研 |
研究期間 | 2001~2001 |
研究担当者 |
久末修司 荒木尚登 水宅清二 丹波義彰 |
発行年度 | 2002 |
要約 | 交雑種哺育牛を用いて、回収牛乳に乳酸を0.3%添加(酸性牛乳)して、給与試験を行ったところ、発育及び飼料摂取量は対照区(生乳給与区)との差は認められない。給与した酸性乳は、室温で1週間程度保存したが、保存性、嗜好性に全く影響が認められない。回収牛乳パックを開封する所要時間は、カッターによる処理が早い。 |
キーワード | 回収牛乳、酸性牛乳、哺乳牛 |
背景・ねらい | 本県において、牛乳工場では毎日返品などの牛乳が大量に処分されている。そこで生産性に影響を与えることなく、交雑種の哺乳の省力・低コスト化、更に牛乳工場での不要な牛乳のリサイクルが可能か検討した。 |
成果の内容・特徴 | 1. 発育成績 試験区、対照区に差はなく、良好な発育を示した。(図1及び図2) 2. 飼料摂取量 42日齢で離乳を行い人工乳を給与したが、両区の摂取量に差は見られなかった。乾草は、生後30日齢から飽食給与したが、両区とも個体による摂取量のバラツキが大きかった。(図3及び図4)。 3. 疾病発生率 一部に軟便、下痢、発咳などが発生したが、両区に差は認められなかった。 4. 回収牛乳の保存性 牛乳パックのまま、温度条件を変えて保存し細菌数を検査したところ、4℃では概ね問題がなかったが、20℃では保存9~10日及び28日で細菌数が多いサンプルが出現した。 5. 酸性牛乳の保存性 乳酸添加直後にpH5.8まで低下し、更に24時間後にはpH4.7程度になり、保存性は高まるものと思われる。また、哺乳牛の嗜好性には全く影響が見られなかった。 6. 開封法の比較 牛乳パック12リットル分(60個)の開封所要時間は、カッターが8分38秒(パック1個当たり平均8.6秒)で、はさみでは14分33秒(パック1個当たり平均14.6秒)であった。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 酸性化する有機酸として、蟻酸などの強酸を使うと牛乳が凝固するので留意が必要である。 2. 乳酸添加のコストは、7.5円/kgであり、フマル酸や他の有機酸の8~10円/kgと比較すると安価である。 3. 保存タンク・有機酸等の器材の他、牛乳工場へ自分で取りに行く手間が必要となる。 |
図表1 | |
図表2 | |
図表3 | |
図表4 | |
カテゴリ | コスト 低コスト 乳牛 |