タイトル | キウイフルーツ葉柄汁液中のカリウムイオン濃度と果実貯蔵性との関係 |
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担当機関 | 神奈川農総研 |
研究期間 | 2000~2004 |
研究担当者 |
柴田健一郎 川嶋幸喜 北尾一郎 大井貴博 |
発行年度 | 2002 |
要約 | キウイフルーツ「ヘイワード」の貯蔵中果実硬度と葉柄汁液中カリウムイオン濃度との間に負の相関が認められ、6月の葉柄汁液中カリウムイオン濃度が高くなると果実の貯蔵性が低下する。 |
キーワード | キウイフルーツ、栄養診断、カリウムイオン濃度、果実貯蔵性 |
背景・ねらい | 神奈川県のキウイフルーツは、県西部を中心に168ha栽培されている。果実は、11月上旬に収穫後、低温貯蔵され、西日本産が品薄になる翌年3月から5月を中心に出荷されている。産地からは高価格販売のため、果実が貯蔵中に軟化しない、高品質果実生産が求められている。そこで、現地農家における貯蔵中の果実硬度と樹体栄養、特に葉柄汁液中養分量との関係を明らかにし、貯蔵性の高い、高品質キウイフルーツ生産のための栄養診断基準値を策定する。 |
成果の内容・特徴 | 1. 葉柄汁液中カリウムイオン濃度と貯蔵中の果実硬度との間に、2000年、2001年とも負の相関が認められ、6月の葉柄中カリウムイオン濃度が高くなると貯蔵中の果実硬度が低くなる(表1、図1)。 2. 葉中カリウム濃度と葉柄汁液中カリウムイオン濃度に正の相関が認められ、葉中カリが2.0%を越えると葉柄汁液中カリウムイオン濃度は、5,000ppmを越える(図2)。 3. 貯蔵性別に農家を分類すると、2000年産果実では収穫時硬度と追熟後糖度に有意差が認められたが、2001年産果実では認められない。また、貯蔵性の高い農家と低い農家の6月葉柄中カリウムイオン濃度には、約900ppmの濃度差がある(表2)。 4. 以上の結果から、葉柄汁液中カリウムイオン濃度は、簡易に樹体の栄養状態、特に果実の貯蔵性を判断する指標として有効と考えられ、6月の葉柄汁液中カリウムイオン濃度が高くなると果実の貯蔵性が低下する。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 果実を貯蔵耐久性別に集荷、貯蔵し、順次貯蔵性が低いものから出荷していくことで、貯蔵中の軟化ロスや選果経費を抑えることができる。 2. 葉柄汁液のサンプリングは、雨天や快晴高温時を避け、葉からの蒸散の影響が少ない午前中11時までに実施し、果実の着果部位から先の1~3葉を採取、ニンニク搾り器で搾汁する。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
図表4 | ![]() |
カテゴリ | 栄養診断 キウイフルーツ 出荷調整 にんにく |