タイトル | スイカ栽培における生分解性プラスチック資材の利用技術 |
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担当機関 | 石川農研 |
研究期間 | 2001~2003 |
研究担当者 |
宮川 修 山本 孝(石川県工試) 松本 淳 西村 康平 |
発行年度 | 2002 |
要約 | 生分解性プラスチックを用いて開発したつるまきネットと生分解性マルチの組合せでスイカの後かたづけの省力化が図られ、環境への影響も少ない。後作のダイコンへの影響も深耕により岐根の発生を低減できる。 |
背景・ねらい | 農業分野においてもポリエチレンなど廃プラスチックの処理については、回収し適正な処理が義務づけられるともに、排出量の抑制が求められている。近年、生分解性のマルチフィルムの開発が進んでいるが、実用化のためにはポリエチレンフィルムに比べ強度が劣ることやコスト等の課題が残っている。また、本県のスイカ栽培ではポリエチレン製つるまきネットの利用が多いが、つる残渣との分別が困難なことから対策が望まれている。そこで、機械作業適性があり実用性の高い生分解性マルチを選定し、生分解性つるまきネットを開発することにより、砂丘地のスイカ-ダイコン栽培体系における利用技術を確立する。 |
成果の内容・特徴 | 1. スイカ栽培で使用する生分解性マルチは、機械展張作業に耐えうる強度があり果実への付着がなく、収量・品質が農ポリと同等であるPCL系が適する(表1、2)。 2. 生分解性素材PCLを原料とする生分解性つるまきネットを石川県工業試験場等と共同で開発した。規格は網目20cm角の幅110cmで、強度・作業性ともスイカ栽培への実用性がある(図1)。 3. 使用後の生分解性マルチはすき込み処理、生分解性つるまきネットはスイカつる残渣と一緒に圃外へ搬出・堆積処分することで、分別が不要となり作業が省力化される。 4. すきこみ処理された生分解性マルチの土壌中での分解は緩慢であり、3ヶ月後の分解程度は20%程度である(データ省略)。 5. スイカ栽培後のダイコン栽培では、深耕することでマルチすき込みによる岐根の発生を低減できる(図2)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 生分解性マルチは融点が低くドリルによる穴開け加工ができないので、あらかじめ加工済みのものを使用する。 2. 生分解性マルチはポリエチレンマルチの2~3倍の価格であるため、ポリエチレンマルチの廃棄処理費用を含めてもコスト高となるが、今後の需要の増加により低価格化が期待できる。 |
図表1 | |
図表2 | |
図表3 | |
図表4 | |
カテゴリ | 加工 コスト 栽培体系 省力化 すいか だいこん |