タイトル | PCRによるカブ一代雑種品種’加賀姫青’の純度検定法 |
---|---|
担当機関 | 石川農総研セ |
研究期間 | 2001~2002 |
研究担当者 |
吉秋斎 徐承姫(ソウル市大) |
発行年度 | 2002 |
要約 | 一代雑種品種‘加賀姫青’の採種親‘DH1’と花粉親‘改良CR金沢青’にそれぞれ特異的なバンド(約370bp及び550bp)が得られるプライマーを見つけ、2001、2002年産の‘加賀姫青’各60種子の検定を行ったところ、すべての雑種性が確認できた。 |
キーワード | PCR、一代雑種、純度検定、カブ |
背景・ねらい | 石川県では、青カブの根こぶ病抵抗性新品種‘加賀姫青’を育成した。‘加賀姫青’は、自家不和合性系統‘DH1’を採種親とし、‘改良CR金沢青’の花粉を交配して得られる一代雑種である。‘加賀姫青’の普及に当たっては、交配によって得られた種子が、間違いなく両親の一代雑種であることを何らかの方法で、迅速に純度検定する必要がある。その一手法として、PCRの利用を検討する |
成果の内容・特徴 | 1. 市販のランダムプライマー「OPU-16」(10mer)を用いてPCRを行うと、‘加賀姫青 ’の採種親‘DH1’に特異的なバンド(約370bp)が得られる(1図、2図)。 2. Kikuchiら(1999年)のプライマー「CRS10」+「CRS11」(各20mer)を用いてPCRを行うと、‘加賀姫青’の花粉親‘改良CR金沢青’に特異的なバンド(約550bp)が得られる(1図、3図)。 3. これら2種類のプライマーを用いることで、‘加賀姫青’の雑種判定が可能となる(2図、3図)。実際には、片親の‘DH1’だけで採種を行うので、‘DH1’の自殖種子の混入があるかどうかを判別できればよく、プライマー「CRS10」+「CRS11」を用いた結果だけで、雑種種子の判定ができると考えられる。 4. この方法により、2001年と2002年産の‘加賀姫青’各60種子の検定を行った結果、供試した全てに雑種性が確認できた。 5. 本手法を用いると、50種子程度であれば、DNAの抽出からPCRによる多型検出までの一連の作業を2日で行うことができる。 |
成果の活用面・留意点 | 1. PCRでは、微量のDNAでも極めて鋭敏に検出されるので、使用する器具や試薬を抽出したDNAやPCRの増幅産物で、汚染させないように注意しながら取り扱う必要がある。 2. ‘加賀姫青’の純度検定に用いる2種類のプライマーは、他のカブ品種や近縁のアブラナ科作物の類別にも利用できる可能性がある。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
カテゴリ | あぶらな かぶ 新品種 抵抗性 品種 |