タイトル | 温暖地中山間地域における水稲の葉いもち圃場抵抗性基準品種 |
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担当機関 | 愛知農総試 |
研究期間 | 1997~2001 |
研究担当者 |
杉浦和彦 坂 紀邦 大竹敏也 工藤 悟 |
発行年度 | 2002 |
要約 | 水稲品種の葉いもち圃場抵抗性検定の精度を高めるため、いもち病真性抵抗性遺伝子型別に葉いもち圃場抵抗性の基準となる品種を選定する。 |
キーワード | 基準品種、圃場抵抗性、葉いもち、水稲 |
背景・ねらい | 水稲の葉いもち圃場抵抗性検定基準品種には、穂いもち圃場抵抗性検定と同一の品種が用いられている。しかし、品種の葉いもちと穂いもちの圃場抵抗性との間には一般的に高い相関が認められているが、一部には両者の間に相関のない品種も知られている。また、年次により葉いもち圃場抵抗性の評価値が大きく変わる品種もある。そこで、真性抵抗性別に葉いもち圃場抵抗性基準品種を選定し、検定精度をより高める。 |
成果の内容・特徴 | 1. 圃場によりいもち病菌レース構成が異なるため、葉いもち圃場抵抗性基準品種をいもち病真性抵抗性遺伝子型により、5つの品種群に分け選定する。 2. 1997年から2001年の5カ年、92品種・系統を供試し、発病調査は畑苗代における圃場抵抗性調査基準により判定した結果、同一品種の発病程度に年次変動が見られたため、各年の品種の発病程度の平均が2001年の発病程度の平均とほぼ等しくなるように平準化した値を評価値とする(表1)。 3. 葉いもち圃場抵抗性基準品種として、評価値の年次変動が小さく、品種の既知の評価情報と矛盾しない品種を選定した結果は、以下のとおりである。 +品種群:“強”「東北糯161号」、「中部32号」、“やや強”「ササミノリ」、“中”「黄金錦」、“やや弱”「スノーパール」、“弱”「陸奥光」 Pia品種群:“強”「奥羽320号」、“やや強”「中部102号」、“中”「キヨニシキ」、「アキヒカリ」、「夢山水」、“やや弱”「ササニシキ」、「日本晴」、“弱”「愛知旭」 Pii品種群:“強”「中部109号」、“やや強”「石狩白毛」、“中”「たかねみのり」、“やや弱”「藤坂5号」、“弱”「ひとめぼれ」、「若水」 Pia Pii品種群:“強”「中部105号」、“やや強”「中部101号」、「峰ひびき」、“中”「ホウレイ」、“やや弱”「東北IL2号」、「黄金晴」、「ミネアサヒ」 Pik又はPik-m品種群:“強”「中部19号」、“やや強”「ぬ秋」、“中”「タツミモチ」、“やや弱”「東北IL3号」、「雪化粧」、“弱”「び系91号」、「ふ系69号」 |
成果の活用面・留意点 | 1. 畑苗代晩播法(イネ育種マニュアル)による葉いもち圃場抵抗性検定のための基準品種とする。 2. 温暖地中山間地域に適応できる。 3. 水稲品種の育成における選抜に利用できる。 |
図表1 | |
図表2 | |
カテゴリ | 育種 いもち病 水稲 中山間地域 抵抗性 抵抗性遺伝子 抵抗性検定 品種 |