タイトル | オカラ・コーヒー粕堆肥によるネグサレセンチュウ被害の抑制 |
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担当機関 | 神奈川県農業総合研究所農業環境部 |
研究期間 | 2002~2002 |
研究担当者 |
武田甲 竹本稔 藤原俊六郎 |
発行年度 | 2002 |
要約 | オカラとコーヒー粕から作成した堆肥により、ダイコンのキタネグサレセンチュウ被害が軽減できる。この原因は、堆肥の水抽出液に含まれるタンパク質様物質が、キタネグサレセンチュウに対して毒性効果を示すことによる。 |
キーワード | キタネグサレセンチュウ、被害抑止、タンパク質様物質、オカラ・コーヒー粕堆肥 |
背景・ねらい | 神奈川県では、キタネグサレセンチュウによるダイコンの外観品質低下が問題になっている。一方、本県では未利用有機物を用いて作成した堆肥の製造とその連用試験を行っている。その過程でオカラとコーヒー粕から作成した堆肥がキタネグサレセンチュウ被害を抑制する傾向が見出された。そこで、未利用資源の有効活用を推進するために、有機物施用によるセンチュウ被害抑制の可能性を検討する。 |
成果の内容・特徴 | 1. ネグサレセンチュウ被害が発生している圃場において、各種堆肥と化学肥料を合計した窒素有効成分が16kg/10aになるように施肥すると、オカラ・コーヒー粕堆肥は、単用施用、牛ふんとの混合施用共に有意のセンチュウ被害抑制効果を示す。また、オカラ・コーヒー粕施用区のダイコン収量は対照区と同等である。(表1) 2. オカラ・コーヒー粕堆肥水抽出液を終濃度200倍に希釈して、浸漬法によりセンチュウに対する毒性を調べると、4時間で効果を示す急性毒性因子が含まれている。この因子は、タンパク分子質量30kDa相当を通過させるフィルターを通過できず、100℃10分間処理およびプロテアーゼK処理より抽出液の急性毒性は消失する。(表1) 3. 20時間のバイオアッセイの結果、オカラ・コーヒー粕堆肥抽出液には、5kDaのフィルター処理、100℃処理及びプロテアーゼ処理によって失活しない毒性効果が見出されたが、この効果については詳細は不明である。(表2) 4. オカラ・コーヒー粕堆肥はダイコンネグサレセンチュウ被害を軽減するが、その原因は殺センチュウ効果を持つタンパク質様物質であると推察される。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 栽培試験を継続しているが、被害は年によって違いがある。 2. pH等土壌条件や他のセンチュウとの関係などの複雑な要因も関与している可能性もある。 3. 原因物質については今後さらに定性する予定である。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
カテゴリ | 肥料 施肥 だいこん 未利用資源 |