タイトル | 形状の違いによる農薬の残留性を考慮した安全なレタス類防除基準の作成 |
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担当機関 | 長野農総試 |
研究期間 | 1998~2002 |
研究担当者 |
矢口直輝 小林富雄 和田健夫 武田吉弘(農業総合試験場) 小林荘一 豊嶋悟郎 小木曽秀紀 藤永真史(野菜花き試験場) |
発行年度 | 2002 |
要約 | 結球レタス(以下、玉レタスと略記)と非結球レタス(以下、リーフレタスと略記)は形状が大きく異なるにもかかわらず、農薬登録上の区別はない。長野県農作物病害虫雑草防除基準(以下、防除基準と略記)に採用された農薬について残留量を調査したところ、リーフレタスで残留農薬基準値を超える農薬がいくつか確認された。そこで、安全なレタス類生産に向けて、現地での防除指導に活用できる玉レタスとリーフレタスを分けた防除基準を作成した。 |
キーワード | レタス、非結球レタス、病害虫防除、残留農薬基準、防除基準 |
背景・ねらい | 長野県はレタスの生産量が185千トン(平成12年)で全国1位を誇る。そのうちリーフレタスのサニーレタス、グリーンリーフは8.3%を占める。近年、食の安全性に関する関心が高まる中、農産物の残留農薬調査も頻繁に行われるようになり、特にリーフレタスで残留農薬基準を超える事例が見られた。原因を調査する過程で、形状が異なるリーフレタスが玉レタスと同一の防除基準であることが問題点の一つとして浮かび上がった。そこで長野県産レタス類の安全性及び信頼性の向上を図るため、リーフレタスに対する各種農薬の残留性を確認し、リーフレタスで使用できる防除基準を作成する。 |
成果の内容・特徴 | 1. 玉レタスでは残留農薬基準値未満でもリーフレタスでは基準値を超える可能性のある農薬が存在した(表1)。 2. 長野県防除基準は平成11年度までは登録農薬の中から県内で玉レタスの病害虫防除効果を確認した農薬についてレタス用として掲載していた。しかし、平成12年度から新たに農薬の残留性を調査し、玉レタスとリーフレタスに分けた防除基準を作成した(図1)。 3. 防除基準を分けた当初、リーフレタスの掲載農薬は少なく、防除に支障をきたしたが、現在は掲載農薬数が充実し、産地から信頼される防除基準となっている(図1)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 産地の病害虫防除への活用。 2. 長野県のリーフレタス防除基準は、あくまでも本県独自の推奨指針である。 3. 防除基準を生かすため、栽培期間の異なる玉レタスとリーフレタスの混作は避ける。 4. 改正農薬取締法では玉レタスとリーフレタスの登録が分けられたので、施行後はその基準に従う。 |
図表1 | |
図表2 | |
カテゴリ | 肥料 病害虫 害虫 雑草 農薬 病害虫防除 防除 リーフレタス レタス |