遠隔地からの画像・生育情報による温室メロンの遠隔制御

タイトル 遠隔地からの画像・生育情報による温室メロンの遠隔制御
担当機関 静岡農試
研究期間 2000~2002
研究担当者 大須賀隆司 天野高士 忠内雄次
発行年度 2003
要約 インターネットを利用したドーム型カメラ等による画像情報とロードセルにより自動計測した果重や隔離床重量による土壌水分の状況、温室内の温度環境等の数値情報を組み合わせることで、温室メロンの生育がどこからでも、正確に観察でき、パソコンと電話回線を用いることで、かん水や温度管理等の遠隔制御が可能である。
キーワード 温室メロン、ドーム型カメラ、画像情報、遠隔制御
背景・ねらい 静岡県の温室メロンでは、高品質生産を行うために、生育や気象条件に応じたきめ細かなかん水制御、環境制御が日常的に行われている。これらの判断は、生産者の経験と勘に頼っている技術であるため、時間的な束縛が大きく、長期間にわたる外出は困難な状況にある。そこで、遠隔地からも操作が可能で、その場にいるのと同様な生育の観察ができ、かつ遠隔地においてもかん水や温度管理か可能な制御システムの開発を検討する。
成果の内容・特徴 1.
パソコンと電話回線を用いることで、遠隔地からも画像情報と制御用コンピュータに記録された生育データにより、温室メロンの生育を正確に観察することができ、気象条件や植物体の生育状況に対応したかん水管理や温度管理等の遠隔制御が可能である(図1)。
2.
WWWサーバー上にカメラの遠隔操作と画像送信システムを構築することで、パソコンを利用して、植物体の微妙な萎れ状況が識別可能な画像(30万画素)により、温室メロンの生育状況を遠隔地からリアルタイムで確認することができる(図2)。カメラ操作と画質は制限されるが、携帯電話の待ち受け画面を利用して、温室内全体や果実の画像情報をリアルタイムで受け取ることも可能である。
3.
ドーム型カメラでは、カメラ角度の変更、ズーム機能により温室内全体の植物の萎れ状況を確認することが可能で 、固定カメラの画像と切り替えることで果実表面の詳細な画像情報も得られ、生育診断に必要なネット発生状況を確認できる(表1)。
4.
電話回線を利用して、温室環境制御コンピュータと通信することで、ロードセルによって自動計測した果重の変化や隔離床重量のデータ(図3)、温室内の温湿度や日射量といった数値データの利用によってさらに正確な温室メロンの生育の判断が可能となる。
成果の活用面・留意点 1.
ドーム型カメラは視野が広く、観察位置を自由に調整できるため、多連棟で軒高が高いフェンロー型のような構造の温室へ設置することでカメラ設置台数の節減が図れる。
2.
システム設置には、生育観察装置を含め、360万円程度(かん水・温室制御を除く生育観察装置80万円、画像関連280万円(工事費除く))の費用が必要であるが、画像機器や通信装置の低価格化に伴い将来的には低コスト化が可能と推測される。
3.
現在は、画像情報と生育・環境制御と別の系列上のソフトによって制御されているが、今後これらが統合されたシステムの開発が望まれる。
図表1 217180-1.jpg
図表2 217180-2.gif
カテゴリ 遠隔操作 温度管理 環境制御 自動計測 低コスト 水管理 メロン

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