タイトル | n−6/n−3比を低くした鶏卵のラットへの給与反応 |
---|---|
担当機関 | 福井畜試 |
研究期間 | 2000~2000 |
研究担当者 |
加藤武市 山口良二 池本敦(名市大)奥山治美(名市大) 立松憲次郎(名市大) 澤田弘江 |
発行年度 | 2003 |
要約 | n-6/n-3比を低くした鶏卵をラットに給与すると、炎症・アレルギー反応に増悪的に働くロイコトリエンB4の産生が低下する。 |
キーワード | 卵用鶏、n-6/n-3、ラット、アレルギー反応 |
背景・ねらい | 食品中のリノ-ル酸系列脂肪酸(n-6)とα-リノレン酸系列脂肪酸(n-3)との比率を低くすることにより、アレルギー症状の軽減や生活習慣病の予防効果があるとされ、これらの脂肪酸組成を改善した機能性畜産物の生産が行われている。そこで、n-6/n-3比を低くした鶏卵をラットに給与し、アレルギー性疾患への有効性を検討する。 |
成果の内容・特徴 | 1. 低n-6/n-3区の鶏卵は屑米(72.8%配合)主体の飼料にエゴマ種子を10%添 加し、対照区の鶏卵は市販配合飼料を給与した。生産された鶏卵の卵黄を凍結乾燥し、それぞれのn-6/n-3比を求めたところ、1.13と6.36であった(表1)。ラットへの給与飼料には無脂肪精製飼料に凍結乾燥卵黄を重量比10%の割合で添加した(表2)。 2. 供与8週後のラット多形核白血球の脂肪酸組成は低n-6/n-3区で対照区に比べ、α-リノレン酸系列のα-リノレン酸(C18:3n-3)は約2倍に、エイコサペンタエン酸(C20:5n-3)は約6倍に増加した。一方、リノール酸系列のアラキドン酸(C20:4n-6)は26%減少した。また、n-6/n-3比は2.98と対照区の6.94に対して低下した(表3)。 3. Ca表4)。 4. ロイコトリエンΒ4及びロイコトリエンΒの総量を低下させることで炎症・アレルギー反応に対して有効であると考えられる。 |
成果の活用面・留意点 | 1. n-6/n-3比を低くした鶏卵で炎症・アレルギー反応への有効性が確認できたことから、同鶏卵における機能性の1要因として参考にできる。 2. アレルギー反応に対する体質改善に有効であると考えられるが、この鶏卵でアレルギーが生じなくなるのではないことから注意する必要がある。 |
図表1 | |
カテゴリ | えごま 乾燥 機能性 鶏 |