ニホンナシ「幸水」のハウス栽培における変形果発生を軽減する温度管理

タイトル ニホンナシ「幸水」のハウス栽培における変形果発生を軽減する温度管理
担当機関 栃木農試
研究期間 2000~2002
研究担当者 金原啓一
小島耕一
渡辺浩樹
発行年度 2003
要約 ニホンナシ「幸水」のハウス栽培におけるセイヨウナシ型、有てい果等の変形果は、開花始めから満開後30日までの日中の高温により発生するため、開花始めから満開後30日まで換気を早めに行い、日中21~24℃で管理することによって、変形果の発生を軽減できる。
キーワード ニホンナシ、幸水、ハウス栽培、日中の高温、変形果
背景・ねらい ニホンナシ「幸水」のハウス栽培では、露地栽培に比べて果形が縦長になりやすく、セイヨウナシ型(以下ヨウナシ果)や有てい果等の変形果が発生し、果実等級を下げる原因になっている。そこで、開花始めから満開後30日間の温度と変形果発生との関係を解明し、防止技術を確立する。
成果の内容・特徴 1.
開花始めから満開後30日までのハウス内の昼温が29~32℃の高温になると、変形果発生率が85~90%と高く、特にヨウナシ果、有てい果の発生が多く、症状の重い果実が多くなる。昼温が21~24℃で管理すると変形果率は50~53%と低くなる。(表1、図1、写真1)。
2.
夜温は 3~15℃の範囲内では、変形果の発生に及ぼす影響は認められない(表1、写真1)。
3.
条溝果、傾き果、偏円果は、処理による一定の傾向はみられない。収穫盛は、昼低温処理すると高温処理に比較して数日遅くなる(表1)。
4.
開花始めから満開後30日までの間では、開花始めから満開後10日までの高温の影響が大きい(表2)。
5.
成熟期におけるヨウナシ果と正常果の赤道部およびこうあ部の果肉細胞の大きさは同じであり、こうあ部が細くヨウナシ果になるのは、果肉細胞が小さいためではなく、果肉細胞数が少ないためと考えられる(データ省略)。
6.
ニホンナシ「幸水」のハウス栽培では、開花始めから満開後30日まで、早めの換気を行い、日中21~24℃で管理することによって、変形果の発生を軽減できる。
成果の活用面・留意点 1.
ハウス栽培における花の表面温度は、日中日射量が多くなると、気温より高く推移する。このため気温以上に植物体の温度が高くなるので、換気を早めに行う。
2.
簡易デンプン分析法であるヨウ素比色法により、同時に多数の調査が可能である。
3.
根中デンプン含有率の適正範囲1~4%は、「青島温州」に適用できる。
図表1 217278-1.gif
図表2 217278-2.gif
図表3 217278-3.jpg
図表4 217278-4.gif
カテゴリ 温度管理

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