| タイトル | 冬期葉中カリウム濃度によるウンシュウミカン「大津4号」の着花量予測 |
|---|---|
| 担当機関 | 神奈川農総研 |
| 研究期間 | 2000~2003 |
| 研究担当者 |
佐々木晧二 真子正史 浅田真一 鈴木伸一 鈴木誠 |
| 発行年度 | 2003 |
| 要約 | 大津4号の3月1半旬の葉中カリウム濃度から、着花量を推定できる。また、葉を採集した前後2ヵ年の収量の変動値と葉中カリウム濃度の関係から、規格外の大果比率を下げる樹体、結実管理方法を判定できる。 |
| キーワード | ウンシュウミカン、大津4号、隔年結果性、カリウム、着花予測 |
| 背景・ねらい | 神奈川県の主力品種である「大津4号」は高糖度という利点を持つ一方、他のウンシュウミカンに比べ、著しく強い隔年結果性を示し安定生産が難しい。隔年結果性は、生育期の樹体栄養、冬期の貯蔵養分量に大きく影響を受けることから、大津4号の冬期の樹体栄養と翌春の着花量の関係を明らかにし、葉分析による着花量予測技術を確立する。 |
| 成果の内容・特徴 | 1. 成木44樹について、3月1半旬に未結実の春枝中位から1樹当たり20葉を葉柄のついた状態で採集してカリウムの濃度を測定すると、葉中カリウム濃度と翌春の着花率には正の相関が3ヵ年続けて認められ(図1)、当年の着花量を推定が可能である。 2. 現地生産者の圃場でも、同様の結果が得られる(図2)。 3. 着花率のIからIIIと3L以上の規格外の大果割合との関係を見ると、Iは低収量で 大果が10から40%、IIは中程度の収量で大果5から25%程度、IIIは高収量で大果が10%以下に分類できる(図3)。 4. 冬期葉中カリウム濃度からも、IからIIIの着花程度に分類することできる(図2)。 |
| 成果の活用面・留意点 | 1. 葉中カリウム濃度を0.9~1.2%程度に維持すると収量変動は小さくなるが、着花程度はIIの区分となって規格外の大果が10~40%も生産され、生果出荷率が低下しやすい。顕著な大果傾向がみられる場合は、群状結実の着果管理を行うか、あるいは隔年交互結実栽培に移行する。 |
| 図表1 | ![]() |
| 図表2 | ![]() |
| 図表3 | ![]() |
| カテゴリ | 温州みかん 収量向上 出荷調整 品種 |