イヌマキ「紅くじゃく」の育成

タイトル イヌマキ「紅くじゃく」の育成
担当機関 千葉農総研
研究期間 1975~2001
研究担当者 冨岡康治
本居真一
発行年度 2003
要約 新梢が濃い赤色に帯色し、観賞価値の高いイヌマキ「紅くじゃく」を育成した。新梢は春と秋の年2回伸長し、帯色期間は2~4週間である。生育の早さは中庸で、生垣や造形樹に適する。また、雌性で、比較的大きな果托をつける。
キーワード 育種、イヌマキ、赤芽、紅くじゃく、生垣、造形樹
背景・ねらい イヌマキは潮風に強く、長い海岸線を持つ千葉県の気候風土に良く合い、刈り込みにも耐えることなどから、主として生垣や造形樹に利用され、県内の主要な植木樹種の一つとなっている。そこで植木生産振興のため、従来の品種にはない特徴を持った、観賞性の高いイヌマキ品種の育成を目指し、自然交雑実生からの選抜を行った。
成果の内容・特徴 1.
育成経過
1975年9月、場内で採種した自然交雑実生を播種し、1979年6月に育苗中の株の中から新梢が紅色になる個体を発見した。翌1980年6月、新梢の色が紅色であることを再度確認し、1983年以降、挿し木による増殖を開始した。1990年から特性調査を実施し、2001年5月に調査を終了し、育成を完了した。
2.
主な特性
(1)新梢(葉及び茎)は、濃赤茶色(日本園芸植物標準色票No.7R0709)で、赤みが2~4週間持続する。在来の対照系統「C-22」の新梢色は、濃黄緑色(同No.5GY3507)である。(表1、図1)
(2)新梢は、春(5月下旬~6月中旬)と秋(10月上旬~10月下旬)の年2回伸長するが、色は春の方がやや濃い。
(3)イヌマキは雌雄異株で、「紅くじゃく」は雌株である。種子は8~9月に熟し、その基部につく果托は、比較的大きく、観賞価値がある。(表1)
(4)葉の長さは短で、幅は中、生育の早さは中で、生垣や造形樹に適している。(表1)
(5)挿し木発根率は90%以上で、対照系統と同程度に、増殖は容易である。(表2)
成果の活用面・留意点 1.
品種登録出願中であり、増殖には千葉県との許諾契約が必要である。
図表1 217303-1.gif
図表2 217303-2.gif
図表3 217303-3.jpg
カテゴリ 育種 育苗 挿し木 播種 品種

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