アスパラガスにおける養液土耕栽培の適用性

タイトル アスパラガスにおける養液土耕栽培の適用性
担当機関 長野南信農試
研究期間 2000~2002
研究担当者 木下義明
元木 悟
矢澤有紀
山口秀和
発行年度 2003
要約 アスパラガスの半促成やハウス雨よけの、2季どり、または長期どり栽培において、株養成のための立茎開始以降に養液土耕(かん水同時施肥)を用いると、夏秋期の増収効果が高く、かん水・施肥の省力化と減肥栽培が可能である。
キーワード アスパラガス、長期どり、2季どり、養液土耕、省力化、環境保全型
背景・ねらい アスパラガスは多肥栽培型の作物であり、特に2季どりや長期どりの生産現場では年間5~6kg/aを越える窒素施肥事例も認められる。また、かん水効果の高い作物であることなどから、夏季を中心に追肥やかん水に多くの労力を要する。
そこで、これら作物としての特性や肥培管理の面から、果菜類で導入が進んでいる養液土耕栽培に着目し、アスパラガスに対する適用性について検討する。
成果の内容・特徴 1.
アスパラガスの施設利用による2季どり・長期どり栽培において、養液土耕システムを導入し、表1の「給液管理の目安」に従って栽培する方法は、アスパラガスに対する 適用性が高い(表1)。
2.
株養成のための立茎開始以降~8月下旬まで養液土耕栽培する方法は、慣行栽培に対して特に夏秋期の増収効果が顕著で、年間収量も増加する(図1)。
3.
年間の窒素施肥量を3.5kg/aとし、現地慣行施肥量に対して30~40%程度減肥しても、養液土耕栽培の収量レベルは比較的高い水準を確保できる(図1、表2)。
4.
基肥を施用せず立茎開始~8月下旬まで養液土耕栽培とする方法と、基肥は配合肥料で施用して7月~8月下旬の間のみ養液土耕栽培とする方法では、収量に大きな差は認められず、どちらの方法でも利用可能である(図1)。
5.
養液土耕区と同一水量を点滴チューブで毎日かん水のみ処理した慣行施肥点滴かん水区に比べると、養液土耕区で増収効果が認められたことから、養液土耕栽培における増収は単なるかん水効果ではなく、かん水同時施肥による効果と考えられる(表2)。
成果の活用面・留意点 1.
夏秋期の収穫過多により翌年春期の収量が低下する傾向にあり、夏秋期に重点を置く場合に導入効果が高い。
2.
土づくりは慣行栽培と同様に、有機物施用による物理性改善や、土壌診断に基づいた石灰質資材によるpH矯正等を必ず行う。
3.
養液土耕システムの導入に際しては原水の分析を行い、FeやMnが1ppm以上含まれる場合やCaOや重炭酸イオンなどが多い場合は点滴チューブが目詰まりしやすいので、イオン交換などの対策をとる。
図表1 217332-1.gif
図表2 217332-2.gif
図表3 217332-3.gif
図表4 217332-4.gif
カテゴリ 土づくり 肥料 アスパラガス 省力化 施肥 土壌診断 肥培管理

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