ワタアブラムシ抵抗性アールス系メロン新品種「久愛交1号」の育成

タイトル ワタアブラムシ抵抗性アールス系メロン新品種「久愛交1号」の育成
担当機関 愛知農総試
研究期間 1997~2003
研究担当者 大薮哲也
矢部和則
菅原眞治
坂田好輝(野茶研)
杉山充啓(野茶研)
森下昌三(野茶研)
発行年度 2003
要約 ワタアブラムシ、うどんこ病新レース(レース2)及びつる割病(レース0、2)に抵抗性のアールス系メロン新品種「久愛交1号」を育成した。
キーワード ワタアブラムシ、うどんこ病新レース、つる割病、アールス系メロン
背景・ねらい ワタアブラムシはメロンに寄生吸汁し、生育阻害を引き起こすほか、すす病の誘発あるいはウィルス病を媒介するなど、生産に影響を与える重要害虫のひとつである。特に、半促成栽培における5月あるいは抑制栽培における8月下旬~9月中旬に発生が多い。今日、安全安心なメロン生産が求められており、ワタアブラムシ防除のために、化学農薬に代わって天敵の利用等も検討されているが、いまだ十分な成果は得られていない。そこで、わが国で初めてワタアブラムシ抵抗性(縮葉耐性、増殖抑制型)を有し、うどんこ病新レース(レース2)とつる割病(レース0、2)抵抗性を併せ持つアールス系メロンを育成する。
成果の内容・特徴 1.
愛知農総試は、平成9年「夏系7号」に「クレスト夏系」を交雑し、その後代から「愛知3号」を育成した。野菜茶研は、「メロン中間母本農3号」の姉妹系統から「AR91-2」を育成した。平成11年に両系統を組み合わせたF1系統「久愛交1号」は、ワタアブラムシ、うどんこ病、つる割病に抵抗性を持ち、果実の外観品質及び内部品質ともに優れるアールス系メロン品種として有望と評価されたので 育成を完了した(図1)。
2.
「久愛交1号」は、「アールス雅」に比べてワタアブラムシの寄生頭数が少なく、それによる葉の縮れはない。うどんこ病(レース2)に対しては、「久愛交1号」は葉の表面の一部にわずかに発病する程度で、実用上充分な抵抗性を示す。つる割病(レース0、2)については、全く発病せず強い抵抗性を示す(表1)。
3.
「アールス雅」に比べて、生育初期の草丈が高く、葉はやや大きい。茎の太さは同程度である。雌花の着生は優れる(表2)。
4.
果形は球形で、平均果重が2.47kg、果皮色は灰緑色である。ネットの盛りが高い。果肉色は黄緑色で、肉質がやや粘質、香りが強く、食味は良である。糖度は13.8と高い(表3)。
成果の活用面・留意点 1.
「久愛交1号」は、日持ち性が5~7日程度で、従来品種に比べてやや短く、ワタアブラムシの発生が多い半促成栽培、抑制栽培に適する。
2.
栽培条件によっては、果実の肥大がやや劣る。交配完了後果実肥大初期及び横ネット発生期のかん水量、湿度管理に留意する。
3.
平成16年に登録出願し、種子の供給を開始する。
図表1 217334-1.gif
図表2 217334-2.gif
図表3 217334-3.gif
図表4 217334-4.gif
カテゴリ 病害虫 うどんこ病 害虫 栽培条件 新品種 抵抗性 農薬 品種 防除 メロン 良食味 わた

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