タイトル | キャベツすす症(仮称)の発生要因 |
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担当機関 | 群馬農技セ |
研究期間 | 2001~2003 |
研究担当者 |
剣持伊佐男 酒井 宏 日戸正敏 |
発行年度 | 2003 |
要約 | キャベツすす症(仮称)は、収穫期に結球部の基部周辺の葉がすす状に黒く着色する症状である。発生程度には品種間差異がある。窒素施用量が多いほど、結球重が重いほど本症状の発生程度は高くなる。また、7月、10月収穫より8~9月収穫で多発する。 |
キーワード | 群馬農技セ・高冷地野菜研究センター、群馬農技セ・生産環境部・病害虫G |
背景・ねらい | すす症(仮称)の症状は収穫期に結球部の基部周辺の葉がすす状に黒く着色する症状である。すす症が発生したキャベツは著しく商品価値を損ねるため、群馬県の高冷地では重大な問題となっている。そこで、本症状の発生要因を明らかにするため、生理障害や病害等について検討を行う。 |
成果の内容・特徴 | 1. 実体顕微鏡下で観察した結果、表皮の組織細胞だけが何らかの影響を受けて黒変していると考えられる。 2. すす症の発生には明らかに品種間差異がある(図1)。なお、すす症の発生とキャベツ葉のロウ物質(ワックス)との関連は低いと推定される(図1 ワックスレス品種:YR優緑)。 3. すす症の発生程度は、窒素施用量が多いほど高くなり(図2)、結球重が重くなるほど高くなる(図3)。 4. 高冷地キャベツにおいて、すす症の発生は7月と10月収穫で比較的少なく、9月収穫で最も発生が多い(図4)。 5. すす症の発生は農薬散布や展着剤の加用により影響されない(データ省略)。 6. すす症多発生及び少発生品種の結球部における内容成分には、両品種間における差は認められない(データ省略)。 7. すす症の発生は結球部の水がたまりやすい部分に多いため、葉柄部に保持された水分が何らかの影響を及ぼすものと推察される(データ省略)。 8. すす症状を示す植物体の組織からは病原性を有する糸状菌や細菌は分離されない(データ省略)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 本症状について、岩手県、長野県および本県を比較した結果、いずれも同一症状であることを確認した。 2. すす症が発生しやすい品種の作付けを控える。 3. 発生しやすい品種は7月か10月が収穫期になるよう作付けする。 4. 窒素施用量が多いとすす症の発生程度が高まるので、適正施肥量に心がける。 5. 結球重が重くなるほどすす症の発生程度は高くなるので、適期収穫ができるよう計画的な作付けを行う。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
図表4 | ![]() |
カテゴリ | 病害虫 害虫 キャベツ 生理障害 施肥 農薬 品種 |