DNAマーカーによる水稲品種「コシヒカリ富山BI」の品種識別

タイトル DNAマーカーによる水稲品種「コシヒカリ富山BI」の品種識別
担当機関 富山農技セ
研究期間 2002~2003
研究担当者 村田和優
斉藤祐三子(砺波農改セ)
蛯谷武志
発行年度 2003
要約 いもち病抵抗性を備えた富山県育成の「コシヒカリ富山BL1号~6号」について、いもち病抵抗性遺伝子の近傍にあるDNAマーカーを利用することで正確かつ短時間で品種を識別することが可能である。
キーワード イネ、DNAマーカー、コシヒカリ富山BL、品種識別
背景・ねらい 富山県で育成した「コシヒカリ富山BL」は、いもち病抵抗性を有していることから、いもち病防除の農薬使用量を低減できるため、コスト低下による生産者サイドのメリットが大きい。また減農薬栽培や環境負荷の軽減にも繋がるため、多様なニーズに応えることが可能である。しかし「コシヒカリ富山BL」は全て外見上「コシヒカリ」と全く同じであり、接種検定を行わない限り生産現場での判別は困難である。今後コシヒカリBLの生産拡大をすすめる中で、速やかにまた客観的にその栽培内容を把握する技術が求められる。
成果の内容・特徴 1.
「コシヒカリ富山BL」が持ついもち病抵抗性遺伝子(表1)の既知の座位情報に基づき、遺伝子座近傍にあるDNAマーカーを用いて抵抗性の識別を行うことができる。
2.
「BL1号」および「BL6号」はDNAマーカー[3942S31-3942eZ35](SNPタイプ)を用いたPCRにより、「コシヒカリ」ならびに他の「BL」と識別することができる(図1)。さらに「BL1号」と「BL6号」はDNAマーカー[3942S35-T3942eZ3-5](SNPタイプ)を用いて識別することができる(図2)。
3.
「BL2号」はDNAマーカー[MRG6102] (SSRタイプ)を用いたPCRにより識別することができる(図3)。
4.
「BL3号」はDNAマーカー[MRG4916] (SSRタイプ)を用いたPCRにより識別することができる(図4)。
5.
「BL1号」、「BL4号」、「BL5号」がDNAマーカー[MRG4926] (SSRタイプ)を用いたPCRにより識別することができる(図5)。「BL1号」と「BL4号」および「BL5号」はDNAマーカー[3942S31-3942eZ35]を用いたPCRにより識別することができる(図1)。さらに「BL4号」と「BL5号」はDNAマーカー[40A18FF-40A18SNT](SNPタイプ)を用いたPCRにより識別することができる(図6)。
6.
現在農家圃場で栽培している「コシヒカリ富山BL」は数種を混合しているが、DNAマーカーを用いることで混合内容を正確に把握することができる(図1、図4、図5)。
成果の活用面・留意点 1.
DNA分析により「コシヒカリ富山BL」の6種各々ならびに「コシヒカリ」を、短時間でかつ明瞭に識別することが可能であり、「コシヒカリ富山BL」の混合品種内容や種子純度を把握することが可能となる。
2.
SNPタイプのマーカーはいずれも中央農研・稲遺伝解析研究室より情報提供を受けている。これらの使用には中央農研との使用許諾契約の締結が必要である。またSSRタイプのマーカーはいずれも公開データベースGrameneの情報に基づいて使用している。
図表1 217366-1.jpg
図表2 217366-2.jpg
図表3 217366-3.jpg
カテゴリ 病害虫 いもち病 コスト 水稲 生産拡大 データベース DNAマーカー 抵抗性 抵抗性遺伝子 農薬 品種 防除

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