タイトル | ショウガの脂溶性風味成分の水溶性粉末製造法 |
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担当機関 | 石川農研 |
研究期間 | 2002~2006 |
研究担当者 |
吉川基世 三輪章志 |
発行年度 | 2003 |
要約 | エタノール水溶液中でショウガ、糊化澱粉とサイクロデキストリン合成酵素を反応することで、脂溶性成分抽出、サイクロデキストリン生成、脂溶性成分の包接を同時に行え、水溶性粉末が簡易に製造できる。 |
キーワード | |
背景・ねらい | 石川県では、和菓子メーカー等で商品にショウガの風味を付与するためショウガが消費されている。しかし、ショウガ風味成分であるギンゲロールやショーガオールは、脂溶性であるため風味成分は揮発しやすく利用するのは難しい。そこで、ショウガに含まれる脂溶性風味成分を効率よく水溶性粉末化する簡便な方法を開発する。 1. 本法は、エタノール水溶液(10~40%)に糊化澱粉、ショウガ(ペースト又は、乾燥粉末)とサイクロデキストリン合成酵素を加えて反応させ、反応液の上澄みを乾燥することでショウガ脂溶性風味成分の水溶性粉末(ショウガCDラップ)が製造できる(図1)。 2. 本法は、糊化澱粉を用いることでエタノール水溶液中での酵素反応性が高まり、エタノール濃度40%でもサイクロデキストリン(CD)が生成可能である(図1.表1)。 3. ショウガ含有脂溶性風味成分の抽出量は、エタノール濃度が濃いほど高いため、ショウガCDラップ製造に適するエタノール濃度は、40%が適当である(表2)。 4. 40%エタノールで製造したショウガCDラップを0.18%添加したゼリーが含有するショウガ風味成分は、対照のショウガ汁2%添加ゼリーの約10倍の濃度である(表3)。 5. 以上の結果より、ショウガCDラップは、ショウガ風味成分を水溶化して利用範囲を広げると共に、成分含量が多いため少量の添加で食品にショウガ風味を付与できる。 CDラップとは: |
成果の内容・特徴 | 1. 本法は、エタノール水溶液(10~40%)に糊化澱粉、ショウガ(ペースト又は、乾燥粉末)とサイクロデキストリン合成酵素を加えて反応させ、反応液の上澄みを乾燥することでショウガ脂溶性風味成分の水溶性粉末(ショウガCDラップ)が製造できる(図1)。 2. 本法は、糊化澱粉を用いることでエタノール水溶液中での酵素反応性が高まり、エタノール濃度40%でもサイクロデキストリン(CD)が生成可能である(図1.表1)。 3. ショウガ含有脂溶性風味成分の抽出量は、エタノール濃度が濃いほど高いため、ショウガCDラップ製造に適するエタノール濃度は、40%が適当である(表2)。 4. 40%エタノールで製造したショウガCDラップを0.18%添加したゼリーが含有するショウガ風味成分は、対照のショウガ汁2%添加ゼリーの約10倍の濃度である(表3)。 5. 以上の結果より、ショウガCDラップは、ショウガ風味成分を水溶化して利用範囲を広げると共に、成分含量が多いため少量の添加で食品にショウガ風味を付与できる。 CDラップとは: |
成果の活用面・留意点 | 1. ショウガCDラップは、絞り汁より風味成分含量が高いため、添加量を事前に検討する必要がある。 2. ショウガCDラップは、食品だけでなく入浴剤にも利用可能である。 3. 用途に応じたショウガCDラップを製造する場合、必要な風味の強さが異なるため、CDラップ製造時のエタノール適性濃度を確認する必要がある。 |
図表1 | |
図表2 | |
図表3 | |
カテゴリ | 乾燥 しょうが |