タイトル | 金時草(きんじそう)に含まれる抗酸化性色素を効率的に抽出するための原料調製法 |
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担当機関 | 石川農研 |
研究期間 | 2002~2004 |
研究担当者 |
太田礼子 林美央 |
発行年度 | 2003 |
要約 | 金時草の葉を約100℃で3~5分間蒸気加熱処理した後、90℃で5~6時間熱風通風乾燥することで得られる乾燥金時草は、長期保存が可能な色素抽出用原料として利用できる。 |
キーワード | 金時草、蒸気加熱、乾燥、色素 |
背景・ねらい | 金時草は石川県の伝統野菜であり加賀野菜の1つとして認定されている。金時草は葉の裏が赤紫色であり、この色素を着色料として利用するニーズがある。金時草色素は生原料から熱水で抽出することができるが、この方法では、原料や抽出液の長期保存が難しい、収穫が少ない時期に利用しにくいなどの問題点がある。そこで、金時草色素用原料を年間供給できる一次加工法を確立する。 |
成果の内容・特徴 | 1. 乾燥金時草は、洗浄・脱水した金時草の葉を、蒸し器などで蒸気加熱(100℃、3~5分)した後に、90℃で5~6時間熱風通風乾燥して得られる(図1)。生金時草50gから約5gの乾燥金時草が得られる。 2. 金時草を熱風通風乾燥(90℃)してから抽出すると得られる抽出液は黄褐色である。しかし、金時草を熱風通風乾燥する前に蒸気加熱を行って得られる乾燥金時草からの抽出液は赤紫色を呈し、金時草生葉から抽出した液とほぼ同等の色を示す(図2)。 3. 蒸気加熱時間は蒸し器の容量にもよるが、生葉から抽出した抽出液との蒸気加熱時間の違いによる彩度c(赤紫色)は蒸気加熱時間が3分のものが最も近い値となった。(表1)。 4. 乾燥金時草はポリ袋などに入れ密閉した状態で冷蔵庫で6ヶ月保存しても抽出液の色調は保持できる(図3)。 5. 乾燥金時草を熱水で10~15分煮出すことで、色素溶液を簡易に抽出できる。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 金時草の乾燥保存方法によって、端境期(11月~翌年5月)においても金時草色素が利用できる。 2. 金時草抽出液の粉末化は、大量生産かつ低コスト化が図れる噴霧乾燥機を利用することが望ましい。 3. 本技術は金時草の葉のみを利用する。 |
図表1 | |
図表2 | |
図表3 | |
カテゴリ | 加工 乾燥 低コスト 伝統野菜 |