タイトル | 酵母による沢庵臭の低減法 |
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担当機関 | 新潟農総研 |
研究期間 | 2003~2003 |
研究担当者 |
秋本隆司 西脇俊和 |
発行年度 | 2003 |
要約 | 塩蔵ダイコンを脱塩後、調味液(5%グルコース、10%アミノ酸液、0.25%酵母エキス)に漬け、ワイン醸造用酵母を添加し、30℃で18時間撹拌しながら発酵させることにより、沢庵臭のない沢庵を製造できる。 |
キーワード | ダイコン、酵母、発酵、沢庵臭 |
背景・ねらい | 沢庵の消費量は年々減少し、20年前まで漬物全体の約25%を占めていたが、近年は10%以下にまで落ち込んでいる。その原因の一つとして、沢庵の独特な臭い、いわゆる沢庵臭が敬遠されていることが挙げられる。この沢庵臭はダイコンを塩蔵した段階から発生し、製品にまで残存する。一方、発酵漬物は微生物が関与して独特な風味や香りを形成することが知られている。そこで酵母を用いて沢庵臭を沢庵製造過程で低減する方法を検討する。 |
成果の内容・特徴 | 1. 塩蔵ダイコンを約7mm厚にスライスし、1%程度まで脱塩した後、ダイコン重量の1/5の調味液(5%グルコース、10%アミノ酸液、0.25%酵母エキス)に漬ける。ワイン醸造用酵母(Saccharomyces cerevisiae OC2)を10表1)。 2. 酵母の増殖の最適温度は30℃で(図1)、この時、沢庵臭の低減効果も最大となる。 3. 酵母発酵により、沢庵臭成分であるメチルメルカプタンがS-メチルチオアセテートに変換され、ジメチルジスルフィド、ジメチルトリスルフィドの生成が抑えられるため臭いが低減する(図2、図3)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 沢庵臭の少ない沢庵は、臭いが敬遠される弁当や惣菜への展開を可能にする。 2. 沢庵臭を効率よく除去するために、ある程度の大きさに裁断した方がよい。 3. 旺盛に発酵させるために、30℃で撹拌できる装置が必要である。 4. 雑菌汚染を防止するために、ダイコンを洗浄して初発菌数を減らし、酵母を106cfu/ml以上になるように添加する必要がある。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
カテゴリ | だいこん ワイン |