タイトル | トマト養液栽培における排液再利用システムの開発 |
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担当機関 | 三重科技セ |
研究期間 | 1999~2003 |
研究担当者 |
礒崎真英 小西信幸 黒田克利 糀谷 斉 鈴木啓史 冨川 章 田中一久 安田典夫 |
発行年度 | 2003 |
要約 | トマト養液栽培における排液再利用システムは排液を85%削減し、栽培系外へ排出する肥料成分量を減少させ、環境負荷を軽減できる。さらに、肥料使用量が減少するため肥料費を70%に節約できる。 |
キーワード | トマト、養液栽培、培養液、排液再利用システム、環境負荷軽減 |
背景・ねらい | トマトのロックウール栽培では、給液量の20~30%が余剰液として、一旦回収した後、栽培系外へ廃棄されており、規模拡大に伴い、河川等の水系における環境汚染を招く可能性がある。そこで、栽培系外へ排出する窒素等を削減し、環境負荷を低減するため、排液再利用システムを開発する。 |
成果の内容・特徴 | 1. 排液再利用システムは、排液を貯留するストックタンクおよびオゾン殺菌装置と、市販の肥料混合装置および培地からの排液を回収するための排液タンクから構成される。本システムは、既存のかけ流しを行っている養液栽培(ロックウール)システムに追加して設置可能である(図1)。 2. 本システムの流れは以下の通りである。(1)肥料混合装置で培養液を調整して栽培槽へ給液し、余剰培養液が排液タンクに集められ、全量がストックタンクに送られる。 (2)ストックタンクから殺菌タンクへ排液量が補充され,30分間オゾン殺菌が行われる。(3)給液時刻になると,殺菌済みの排液から一定量(給液の20~30%)が希釈タンクに送液される。(4)1回の給液量に達するまで希釈タンクに水が補充され、所定のECに調整後、栽培槽へ給液される。 3. 排液率(栽培系外への総排液量/総給液量)は4%に低下し、栽培系外への排液量は、かけ流し栽培の85%削減される(表1)。 4. 当システム利用を利用すると、かけ流し栽培に比べ、N0表2)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 原水中に特定の成分が多く含まれ、肥料の調整で解消できないときには、排液の再利用によりその成分が徐々に高まるので、そのような場所では利用しない。 2. 排液の再利用のためには、肥料組成の調節が必要なため、培養液調整ソフトなどを利用して、ストックタンク内の培養液分析結果から、肥料を補正する。また、NH4-Nを20~30%増量する必要がある。 3. 殺菌中はオゾンが発生しているので、殺菌が行われているときに殺菌タンク内をのぞき込んだりしない。また、殺菌装置は、回収した排液は殺菌するが、栽培槽内(ロックウール内)の病原菌を殺菌することはできない。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
カテゴリ | 肥料 規模拡大 ストック トマト 養液栽培 |