タイトル | 製麺適性の優れる小麦「きぬの波」の認定品種採用 |
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担当機関 | 茨城県農総セ農研 |
研究期間 | |
研究担当者 |
小山田一郎 日下勝博 泉沢直 須賀立夫 狩野幹夫 |
発行年度 | 2003 |
要約 | 農林61号より栽培特性に優れ、アミロース含量がやや低く、麺(うどん)の粘弾性が改良された製麺適性が優れる小麦品種「きぬの波」を認定品種に採用する。 |
キーワード | きぬの波、認定品種、やや低アミロース |
背景・ねらい | 本県の小麦主力品種「農林61号」はコムギ縞萎縮病に弱く、また倒伏しやすいなど栽培性が劣る。また、バンドウワセは製麺適性が劣るため実需者の評価が低い。そこで、栽培特性・製麺適性がともに優れた特性を持つ「きぬの波」を輪換畑(水田転作)栽培用の認定品種として採用し、本県輪換畑産小麦の評価向上と生産安定を図る。 |
成果の内容・特徴 | 「きぬの波」は群馬県農業試験場で「関東107号(低アミロース系統)」を母とし、「関東100号(バンドウワセ)」を父として育成された品種で、「農林61号」に比べて以下の特徴がある。 1) 出穂期・成熟期は1~3日程度早い早生である(表1)。 2) ふ色は黄(白)の"白ふ"品種である。 3) 穂発芽性は同程度の"難"である。 4) アミロース含量はやや低い(表2)。 5) 短稈で耐倒伏性に優れ、千粒重は同程度であるが、多収である(表1)。 6) 外観品質は優れる(表1)。 7) 製粉歩留りは同程度であるが、製麺適性は色、粘弾性、滑らかさで優れている(表2、3)。 |
成果の活用面・留意点 | 1) "白ふ"品種であるため穂の外観は農林61号と異なるので、収穫時期の判定は穀粒水 分を測定し、穀粒の状態を確認してから収穫する。 2) 農林61号よりタンパク質含量が低いため、粗タンパク質含量があがりにくい圃場で は、堆肥の投入、追肥などの適切な管理を実施する。 3) 畑圃場ではタンパク質含量が目標値(10~11%)を超え、小麦粉の色が悪くなるので 作付けしない。 4) フレッケンの発生が見られるが生育、収量等への影響はない。 5) うどんこ病に強くないため過繁茂とならないよう注意する。 6) 当面の適応地域は、県南県西の輪換畑とする。 |
図表1 | |
図表2 | |
図表3 | |
カテゴリ | 萎縮病 うどんこ病 小麦 水田 品種 |