タイトル | 輪作およびヘアリーベッチのライブマルチを利用したカボチャ立枯病の耕種的防除 |
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担当機関 | 茨城県農総セ園研 |
研究期間 | 1999~2003 |
研究担当者 |
渡邊 健 松本みゆき 貝塚隆史 上田康郎 鈴木雅人 |
発行年度 | 2003 |
要約 | カボチャ栽培においてトウモロコシやダイズ(エダマメ)を導入した輪作およびマメ科牧草の一種、ヘアリーベッチのライブマルチとして利用するとカボチャ立枯病発病抑制効果が得られる。 |
キーワード | カボチャ立枯病、耕種的防除、輪作、ライブマルチ、ヘアリーベッチ |
背景・ねらい | カボチャ立枯病はカボチャをはじめ、各種ウリ科作物を侵すので、本病の防除対策をたてることは極めて重要である。土壌くん蒸剤を用いた土壌消毒は防除効果が高いが、毎作の土壌消毒は労力や経費がかかる。また、近年は有機・減農薬栽培のニーズが高まり、環境にやさしい防除技術の開発が望まれている。そこで、輪作やマメ科牧草のライブマルチ栽培を主にした本病の耕種的防除技術を確立する。 |
成果の内容・特徴 | 1. カボチャ立枯病汚染圃場において、夏作物の輪作作物としてトウモロコシ(スイートコーン)またはダイズ(エダマメ)を1~2作栽培(栽培期間:約4ヶ月間)すると、カボチャ根部に発病が見られても側根や細根が多く、根張りが良いために枯死等の激症が減少し(図1)、実用的な防除効果が得られる(図2)。 2. マメ科牧草の一種ヘアリーベッチは、茎葉がカボチャの畦間を繁茂して敷きわらの代替(ライブマルチ)となり、雑草防除効果も優れる。ヘアリーベッチは、10月上旬に10a当たり3kgの種子を圃場全面播種あるいは40cm間隔に条播する。全面播種する場合は、播種後、浅く土壌混和するか、鎮圧する。3月下旬にカボチャを栽培する畦部分をロータリですき込み、施肥(緩効性肥料:N;12kg・P;12kg・K;12kg/10a)後、マルチャーで作畦し、4月上旬にカボチャを定植する(トンネル栽培)。 3. ヘアリーベッチライブマルチ栽培したカボチャの生育、収量、品質は、慣行の敷きわら(稲わら)栽培と比較して、ほぼ同等である(表1)。 4. ヘアリーベッチライブマルチは、敷きわらの代替となるとともに、栽培2年目には敷きわら栽培に比較して立枯病の発病が軽減する傾向がある(表2)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 本技術は有機・減農薬栽培に適用する。 2. カボチャ立枯病防除のための輪作体系は、トウモロコシまたはダイズとの隔年輪作とし、カボチャ栽培にはヘアリーベッチのライブマルチを併用する。輪作作物を導入後、カボチャを連作すると再び発病は高まるので、隔年輪作が望ましい。 3. ヘアリーベッチは、5~6月に開花し、結実後、夏期(7~8月)に枯死する。ヘアリーベッチの残渣は、ロータリで土壌混和すると種子が圃場に残り、持続的なライブマルチ栽培ができる。 4. ヘアリーベッチのライブマルチは、ダイズおよびトウモロコシ栽培における雑草防除法としても利用できる。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
図表4 | ![]() |
カテゴリ | 病害虫 肥料 えだまめ かぼちゃ 栽培技術 雑草 施肥 大豆 立枯病 とうもろこし 土壌くん蒸 土壌消毒 農薬 播種 防除 輪作 輪作体系 |