タイトル | 飼料イネと大麦の2年3作体系における播種・収穫作業計画の支援ツール |
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担当機関 | (独)農業・生物系特定産業技術研究機構 中央農業総合研究センター |
研究期間 | 2003~2007 |
研究担当者 |
佐々木良治 松村修 湯川智行 元林浩太 |
発行年度 | 2003 |
要約 | 飼料イネと「コシヒカリ」との作業競合を回避した播種・収穫作業の計画を支援するソフトウエアである。播種・移植日等を入力すると収穫期が算出・表示され、作付面積、収穫作業能率、収穫作業開始日を入力すると収穫作業期間等が表示される。 |
キーワード | 飼料イネ、クサユタカ、北陸187号、コシヒカリ、収穫、作業計画、作業競合 |
背景・ねらい | 飼料イネと大麦の2年3作体系(飼料イネ-大麦-飼料イネ)では、食用イネ等との作業競合を回避することが課題の一つである。そこで、飼料イネと「コシヒカリ」の生育ステージ予測式を作成し、飼料イネの収穫から大麦播種までの期間に作業競合の生じない作付計画の立案を支援するソフトウエアを開発する。 |
成果の内容・特徴 | 1. 飼料イネ「クサユタカ」と「北陸187号」の出穂期は、日々の最高・最低気温の平年値と出穂期予測式(佐々木ら2000を改変)から精度良く予測できる(図1)。予測式は、 1) DVI(発育指数)=ΣDVR(発育速度)、(播種時DVI=0、出穂期DVI=1) 2) DVR={2a+b(Tmax-c)+d(Tmax-c)+b(Tmin-c)+d(Tmin-c)}/2 (DVR≧0とし、Tmax≧cとTmin≧cの時d=0、Tmax<cとTmin<cの時b=0) TmaxとTminはそれぞれ日々の最高・最低気温を、a~gはパラメータ(表1)を示す。飼料イネの出穂期は、苗立密度の高低により約5日の範囲内で変動する。そこで、DVI=1に達した日の播種後日数をnとし、苗立密度x(個体/m2)の群落の播種から出穂期までの日数f(x)を2次式で算出することにより、苗立密度による出穂期の変動を補正できる。 3) f(x)=n(ex^2+fx+g)/100 飼料イネの収穫期は、予測出穂期からの日々の日平均気温を積算して予測する。 2. 「コシヒカリ」の収穫期は、上記1)、2)の予測式により日々の最高・最低気温の平年値を用いて予測する(パラメータ等省略)。 3. 開発したソフトウエアは、播種日と苗立密度を入力すると飼料イネの収穫期が表示され、「コシヒカリ」の収穫期は、移植日を入力することにより表示される(図2、3)。また、品種毎の作付面積と収穫作業能率を入力し、さらに、予測された収穫期を参考にして収穫開始日を入力すると収穫作業期間が表示される(図3)。大麦は、播種作業にともなう全作業の開始日と終了日を任意に入力する。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 飼料イネと「コシヒカリ」の収穫作業期間と大麦の作業期間が色分けされて表示されるので、作業競合等が容易に確認できる。必要に応じて播種・移植日や作付面積等を変更することにより、播種・収穫作業の計画を効率的に立案することができる。 2. 本ソフトウエアでは、飼料イネ(「クサユタカ」,「北陸187号」)の栽培法は湛水(散播)直播栽培とし、食用イネ「コシヒカリ」の栽培法は移植栽培とする。また、飼料イネの出穂期後の積算温度が480℃に達した日を糊熟期、780℃に達した日を黄熟期としている。 3. 本ソフトウエアの使用にはMicrosoft Excel2000以上を必要とし、ソフトウエア試用版はhttp://cse.naro.affrc.go.jp/ryouji/SagyouSim.htmからダウンロードできる。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
カテゴリ | 大麦 直播栽培 播種 品種 |