タイトル | ネコブセンチュウに対するクロルピクリン剤の効果的処理方法 |
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担当機関 | 石川農研 |
研究期間 | 2001~2004 |
研究担当者 |
清水恵美 橋本 尚 西村康平 |
発行年度 | 2003 |
要約 | 臭化メチル代替剤の一つであるクロルピクリンテープ剤は、処理後にガス低透過性フィルムを用いてマルチ被覆することにより、ネコブセンチュウに対して薬量を3割削減しても慣行の農ポリマルチ被覆処理より高い防除効果が得られる。 |
キーワード | 土壌消毒、クロルピクリン、ガス低透過性フィルム、ネコブセンチュウ |
背景・ねらい | 臭化メチルはハウス半促成スイカ-ハウス抑制メロン体系には欠かせない農薬であるが、2005年には全廃することが決定している。そこで、臭化メチル代替剤としてクロルピクリン剤(クロルピクリンテープ)をネコブセンチュウ汚染圃場へ処理する場合に防除効果を高めるため薬剤処理後のマルチ被覆資材にガス低透過性フィルムを用いた防除法を開発する。 |
成果の内容・特徴 | 1. 標準薬量(1100m/10a)を処理し農ポリで被覆した区(標準農ポリ区)では土中ガス濃度が被覆除去2日後に検出不能となる。2/3の薬量(733m/10a)を処理しガス低透過性フィルムで被覆した区(2/3低透過性フィルム区)では、土中ガス濃度は被覆除去時においてもテープ埋設位置から70cm離れた位置でも高く維持される(表1)。 2. 埋め込んだネコブセンチュウ汚染土を処理後に掘り出し、播種したメロンの根への寄生度により防除域と効果を調査すると、標準農ポリ区、2/3の薬量を処理し農ポリで被覆した区(2/3農ポリ区)では、深さ20cmより30cmにおけるネコブセンチュウ寄生度が高くなり、処理位置より離れるほど防除効果が低くなる。一方、2/3低透過性フィルム区は、処理位置から水平距離70cmの深さ30cmでも標準農ポリ区より寄生度は低く、防除効果も優れる(図1)。 3. 汚染圃場におけるネコブセンチュウの被害程度は2/3低透過性フィルム区で低くなる。また、メロンの生育は草丈が低くなるが、標準農ポリ区と同等の収量・品質が得られる(表2)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 砂丘地で夏季に処理した結果であり、被覆除去時の土中ガス濃度が高い場合や処理時期が低温期の場合は被覆除去後に耕起しガス抜けを促す。 2. ガス低透過性フィルムを再使用する場合における使用回数と効果については検討を要する。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
カテゴリ | 病害虫 くり すいか 土壌消毒 農薬 播種 防除 メロン 薬剤 |