タイトル |
実用的な生産情報開示システムの構築・運用とマーケティングへの応用 |
担当機関 |
新潟農総研 |
研究期間 |
2003~2004 |
研究担当者 |
白井敏樹
牛腸奈緒子
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発行年度 |
2004 |
要約 |
Webを使って、独自情報とSEICAを活用した生産情報を組み合わせて提供することにより、実用的なトレーサビリティシステムを構築できる。効率的に運用するには、農産物へのアドレス表示方法、消費者ニーズに応えた情報内容などの工夫が必要であり、ブランド戦略のマーケティング手法としても活用できる。
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キーワード |
SEICA、生産情報、トレーサビリティ、マーケティング
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背景・ねらい |
農産物は、生産者から消費者に届くまでの間に多くの流通業者を通過するため、生産者からの情報が消費者まで伝わりにくいという問題があるが、食の安全性に対する消費者の信頼を確保するために、情報を的確に提供する必要性が高まっている。そこで、実用的な生産情報開示システムを構築し、効率的に運用する方法を提示する。
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成果の内容・特徴 |
- SEICAは、(財)食品流通構造改善機構が運用している、農産物の生産情報を無料で登録・閲覧できる公的データベースである。
- この生産情報開示システムの構築方法は、次のとおりである(図1)。
- 消費者とのコミュニケーション(掲示板等)機能をつけたホームページを開設する。
- ホームページでは、産地独自の情報を提供するとともに、生産情報はSEICAと連携することにより、データベース構築・運用のコストをかけずに容易で効果的な情報管理・情報発信を実現する。
- 各生産者組織毎、あるいは生産者毎にSEICAに生産情報を登録してカタログ番号を取得する。
- ホームページのアドレスとカタログ番号を記載した農産物を流通させる。
- 消費者がホームページにアクセスし、産地側では消費者の反応を情報として得る。
- アクセス率を高めるためには、アドレスとカタログ番号を効果的に伝達することが重要であり、商品特性や流通形態を考慮して品目に適した表示形態を選択する(表1)。カードなどにアドレスを記載すると、経費は高くなるが、包装と一緒に捨てられることが減りアクセス率を高めることができる。
- さらにアクセス率を高めるためには、懸賞を実施する。また、再アクセスを促すには、ホームページで消費者の関心が高い情報内容を充実させる(図2)。
- このシステムはJA白根市が通常の市場出荷農産物に対して長期運用を続けており、2年間で14,000件のアクセス、1,200件のアンケート回答を得た。このシステムは消費者に安心感を与えることができ、さらに「楽しい情報を見たい」、「産地に連絡がとりやすい」、「直接購入したい」といったニーズにも応えられた(図3)。消費者情報収集やコミュニケーションができ、マーケティングのために活用することも立証できた。
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成果の活用面・留意点 |
- JAや農業者が、生産情報開示システムを導入する際に活用できる。
- システム運用に係る経費は、農産物へのアドレス表示のための経費、ホームページ作成・維持経費などである。
- 農産物に番号をつけて情報公開を行う方法は特許が成立しているが、SEICAに登録してそのカタログ番号を使用するなら許諾の必要はない。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
コスト
出荷調整
データベース
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