タイトル | ロール式籾すり機を改良したギンナン殻割り機 |
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担当機関 | 群馬農技セ |
研究期間 | 2002~2003 |
研究担当者 |
須田功一 小林和弘 村田公夫 原昌生 |
発行年度 | 2004 |
要約 | 坪刈り用籾すり機のロール間隙部とファン選別部を改良してギンナンの殻割り作業を機械化した。殻割り精度は良品種実割合が92%で損傷種実は少なく、作業時間は慣行手作業の40%程度に短縮できる。 |
キーワード | ギンナン、殻割り、籾すり機 |
背景・ねらい | 県内中山間畑地を中心に大粒系品種のギンナンが栽培されており、収穫量も増えつつある。収穫果は外種皮を除去し、洗浄後殻付きの状態で流通しているが、一部で調理食材として殻むき種実に対する要望がある。殻むき種実にするには、現行ではプライヤなどを使い手作業で一個ずつ処理しているが、時間が掛かるとともに手・指も疲労する。そこで、高能率に処理でき、取り扱いやすい簡易な殻割り機を開発した。 |
成果の内容・特徴 | 1. 開発機は坪刈り用籾すり機を改良したもので、高・低速2つのロールからなる破砕部、殻を吹き飛ばすファン選別部、割った種実の収納箱から構成される(図1)。 2. 主な改良点は、(1)籾すりロール部の間隙を既製より10mm拡大(間隙は調節可能)、(2)ロール周速度差率(高・低速ロール外周部の速度差の割合)の増大(25%→35%)、(3)選別部のファン回転数の増加(1.5倍)、(4)籾受板部への緩衝材の貼り付け。 3. ロール間隙をギンナンの厚みの90%に設定し、処理する。ロール間隙を0.25mm狭くして殻の無傷なものだけを再度処理する。その作業を繰り返すと、6回程度で殻が全て割れ、そのうち92%が良品種実で8%が損傷種実である(表1)。 4. 選別部のファン回転数は、改良前(1200rpm)では殻が20%近く収納箱内に残ったが、改良後(1800rpm)ではほぼ機外に放出され箱内には残らなかった(図2)。 5. 開発機の作業時間はkg当たり53分で、手作業に比べ40%程度に短縮できた。また、損傷種実は8%程度であった(表2)。慣行の手作業では手・指の疲労が甚だしかった。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 坪刈り用籾すり機は市販されており(H-25M 株式会社藤原製作所・東京)、ギンナン殻割り機への改良はメーカーが対応するが、県内の農機整備工場レベルでも可能である。 2. 一般の籾すり機でも同様な改良を加えれば適用できる。 |
図表1 | |
図表2 | |
図表3 | |
図表4 | |
カテゴリ | 機械化 中山間地域 品種 |