タイトル | 大豆浅耕小畦立播種における麦稈の影響 |
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担当機関 | 三重科技 |
研究期間 | 2003~2004 |
研究担当者 |
中西幸峰 神田幸英 渡辺輝夫(中央農研) 松尾和之(中央農研) |
発行年度 | 2004 |
要約 | 大豆浅耕小畦立播種機を小麦跡で使用すると耕起層の麦稈割合が耕起播種に比べて高くなり、播種後の降雨に対してクラストが形成しにくくなる。乾燥した場合でも耕深を5cm程度とすることで耕起播種と同等の苗立ちを確保できる。 |
キーワード | 大豆浅耕小畦立播種機、小麦跡大豆、播種後降雨、クラスト、麦稈 |
背景・ねらい | 小麦跡大豆の生産安定のため、地耐力が確保でき高能率作業が期待できる播種法として浅耕播種方式を検討している。しかし、本県の大豆作の大部分を占める自脱コンバインによる小麦収穫跡では、播種精度・苗立ちに問題があると考えられるため、前年度に成果情報で報告した浅耕小畦立播種機(作業幅1.8m、条間45cm、4条に改良)を用いて麦稈の影響を検討する。 |
成果の内容・特徴 | 1. 大豆播種直後に強い降雨があると土壌表層にクラストが形成され出芽不良となる場合があるが、浅耕小畦立播種機を麦稈散布田で使用すると種子付近の耕起層の麦稈割合が一般耕起播種に比べて高くなり、播種後の降雨に対してクラストの発生が軽減され苗立ち安定につながる。(表1、図1)。 2. 播種時点で圃場が乾燥し以降の降雨が望めない時は、耕深を5cm程度とすることで耕 起播種と同等の苗立ちが確保できる(図1)。 3. 作業速度0.6~1.1m/sで播種すると、麦稈量が多く速度が速くなるほど苗立ち率 が低下する傾向は見られるものの、80%程度の苗立ち率は期待できる(図2)。 4. 枕地等のコンバイン停止・旋回場所など部分的に多量の麦稈が堆積している場合、 播種後に乾燥すると苗立ちのバラツキが大きくなるが、播種前にフレールモアにより麦 稈を粉砕処理すると堆積を拡散する作用もあるためバラツキを小さくできる(表2)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 播種後の降雨による苗立ち不良要因は、クラストによるものだけではなく、長時間の滞水の影響もあるため排水対策には留意する必要がある。 2. 耕深が浅く耕起層の麦稈量が多くなりすぎると、播種後の乾燥が助長され出芽遅れや不良が問題となる場合があるため、耕深の設定は麦稈量、土壌水分、田面の凹凸状況に留意する必要がある。 3. 小麦収穫時のコンバインのクローラ跡等田面の凹凸がある場合には、播種前にロータリ等で浅耕(均平)しておくと作業しやすい。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
図表4 | ![]() |
カテゴリ | 乾燥 小麦 出芽不良 大豆 播種 |