α−リノレン酸を多く含む豚肉の生産

タイトル α−リノレン酸を多く含む豚肉の生産
担当機関 茨城豚研
研究期間 2000~2003
研究担当者 安田正勝
丸山健
吉岡圭輔
前田育子
大川清充
谷田部隆
発行年度 2004
要約 飼料中にエゴマ粕とビタミンEを同時添加することにより、α-リノレン酸の含有率が高く、保存性に優れた高付加価値豚肉が生産できる。
キーワード 高付加価値豚肉、保存性、α-リノレン酸、ビタミンE、エゴマ粕、ブタ
背景・ねらい 近年、食品に対する消費者ニーズは、「健康」に配慮した質的要因を重視する傾向が強くなってきており、これをうけて生産者側も付加価値を付けた独自のブランド食品の生産が盛んになっている。当県では当研究所(旧養豚試験場)が造成した系統豚「ローズ」を基礎豚とする茨城県の銘柄豚肉「ローズポーク」が生産され、高品質な豚肉として高い評価を得ているが、これからの産地間競争に勝ち残るためには本県独自の特徴を持った機能性食品としての豚肉の開発が望まれる。そこでエゴマ粕及びビタミンEを肥育用飼料に添加し、生活習慣病予防に効果的なα-リノレン酸を多く含み、酸化されにくく保水性に優れた高付加価値豚肉の開発を目的とする。
成果の内容・特徴 1.
ビタミンE添加試験
(1)
ロース部位のビタミンE濃度(表1):ビタミンE添加量及び期間をスクリーニングしたところ、ビタミンEを600mg/kg、900mg/kg、1200mg/kg各4週間肥育豚の仕上げ期の飼  料に添加した区でロース部位内に高濃度のビタミンEの含有が認められる。
(2)
ロース部位のドリップロス(表1):と畜後14日までは、ビタミンEを600mg/kg、900mg  /kg、1200mg/kg各4週間添加した区が対照区や他の区よりも低い値で推移する。
(3)
ロース部位の脂質の過酸化度(表2):1日目及び7日目の過酸化度は個体差が大きく  有意差はなかったが、増加量は対照区に比べビタミンEを900mg/kg、1200mg/kg各4週  間肥育豚の仕上げ期の飼料に添加した区が1%の危険率で有意に低い値を示す。
2.
エゴマ粕飼料添加試験
(1)
脂肪酸組成(表3):背脂肪の外層及び内層、腎臓周囲脂肪中のα-リノレン酸含量はエゴマ粕5%3週間及び10%4週間添加区で有意に増加する。
3.
エゴマ粕及びビタミンE添加試験
(1)
肉質(表4):エゴマ粕5%・ビタミンE 1,000mg/kg3週間添加区は保水力が有意に高く、クッキングロスも有意に少ない。
(2)
脂肪酸組成(表4):エゴマ粕5%・ビタミンE 1,000mg/kg3週間添加及びエゴマ粕のみ  5%3週間添加区は全ての調査部位で、α-リノレン酸含量が有意に増加する。
4.
エゴマ粕5%・ビタミンE 1,000mg/kgを給与した場合の経費は、1頭当たりエゴマ粕 で20.3円/日、ビタミンEで15.6円/日である。
成果の活用面・留意点 1.
エゴマ粕5%とビタミンE 1,000mg/kg肥育豚の仕上げ期の飼料に3週間添加することによ り豚肉中にα-リノレン酸含量とビタミンE濃度の増加が見込まれ、健康食品としての機能性及び品質保持能の向上が期待できる。
2.
エゴマ粕5%とビタミンE 1,000mg/kg肥育豚の仕上げ期の飼料に3週間添加することによ り1頭当たりの生産コストは753.9円高くなる。
図表1 217602-1.gif
図表2 217602-2.gif
図表3 217602-3.gif
図表4 217602-4.gif
カテゴリ えごま 機能性 高付加価値 コスト 機能性食品 肉牛 品質保持

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