タイトル | オゾンガスを利用した養豚施設の飼養衛生管理 |
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担当機関 | 神奈川畜研 |
研究期間 | 2003~2003 |
研究担当者 |
亀井勝浩 小嶋信雄 前田高弘 |
発行年度 | 2004 |
要約 | オゾン発生機と濃度計を組み合わせることにより、オゾン濃度を一定に管理する事が可能である。適正なオゾンガスで管理することにより、豚舎内の落下細菌数や鼻腔内細菌数が減少する。 |
キーワード | ブタ、オゾン、落下細菌数、鼻腔内細菌数、発育性 |
背景・ねらい | 家畜の生産性を向上させるためには、家畜の飼養環境を良好に保ち、病気の発生を予防するための定期的な消毒など畜舎環境の衛生対策が不可欠である。 また、一方では安全で安心な畜産物を提供し、環境への負荷を軽減するため、豚を飼養する際には抗生物質や消毒剤等を出来る限り使用しないことが求められている。 そこで、本研究ではオゾンの強い殺菌力と2次汚染物質を生成しないという特徴を活用し、オゾンを利用した生産性が高く環境に優しい飼養衛生管理方法を確立する。 |
成果の内容・特徴 | 1. オゾン濃度管理方法の検討 オゾン濃度計とオゾン発生機を組み合わせ、試験室内のオゾン濃度が0.06ppm以下になると発生機が稼働し、0.1ppm以上で停止するように設定したところ、オゾン発生機は2~3分間稼働、4~5分間停止というサイクルで運転され、試験室内のオゾン濃度は0.06~0.13ppmで推移しており、豚舎内のオゾン濃度管理を制御することは可能である(図1)。 2. 細菌検査結果 落下細菌数は試験開始5日目から試験区が低く推移する傾向を示し、試験終了時に鼻腔内細菌数を調査したところ、試験区の鼻腔内細菌数は対照区の20分の1以下である(図2・3)。 3. 発育調査結果 試験区(n=4)と対照区(n=4)では発育性に有意な差は認められなかったものの、試験終了時には試験区が対照区をやや上回っている(図4)。 4. 血液・血清学的検査結果 血液・血清学的検査では、オゾン送風後7日目に試験区において白血球数、クンケル、チモール、過酸化脂質値が有意に高い値を示している。 |
成果の活用面・留意点 | 1. オゾン発生機とオゾン濃度計を組み合わせることにより、豚舎内のオゾン濃度を制御する事が可能である。適正なオゾン濃度下で管理することにより、殺菌効果が期待でき、発育性が向上する傾向にあることから、オゾンを利用した飼養衛生管理方法は十分実用性がある。 2. 過酸化脂質などの血清成分に有意な差が認められたことから、更に例数を重ね、オゾンによる生体への影響について検討する必要がある。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
図表4 | ![]() |
カテゴリ | 豚 |