タイトル | 名古屋種の鶏の飼料へのキトサン添加による免疫増強効果 |
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担当機関 | 愛知農総試 |
研究期間 | 2002~2003 |
研究担当者 |
伊藤裕和 加藤泰之 |
発行年度 | 2004 |
要約 | 名古屋種の鶏にキトサンを飼料添加(0.25%、0.5%、1%の3区分:キ添加区)すると、抗体産生能では、最も高い抗体価は対照区よりキ添加区は高い傾向が見られる。遅延型過敏反応では、0.25%及び0.5%のキ添加区は対照区より有意に腫脹差が大きい。 |
キーワード | ニワトリ、飼料添加、キトサン、抗体産生能、遅延型過敏反応 |
背景・ねらい | 農畜産物の「安全・安心」が強く望まれる中、抗菌性物質を添加しない地域特産鶏(名古屋種)の生産技術の確立が養鶏関係者から要請されている。地域特産鶏は平飼いで長期間飼育するため、病原体による生産性阻害要因も生産現場で問題となっている。そこで、抗菌性物質の代わりに天然の免疫増強物質の一つであるキトサンを飼料に添加し、発育状況の調査や免疫反応を検討する。 |
成果の内容・特徴 | 1. 名古屋種30羽(雄)を1群として120日齢まで飼育すると、飼料要求率ではカニの甲羅由来のキトサンの3水準(0.25%、0.5%、1%)の添加区(キ添加区)は、抗菌性物質無添加飼料区(対照区)と同程度である(表1)。 2. 5区分{(3水準のキ添加区、抗菌性物質添加飼料区(抗菌剤区)及び対照区}の各雌雄7羽にヒツジ赤血球(T細胞依存性免疫の指標)及びブルセラ・アボルタス抗原(T細胞非依存性免疫の指標)を4及び5週齢に接種し抗体価の推移を調べると、ヒツジ赤血球抗体価の推移では、0.25%及び0.5%のキ添加区は対照区に比べ抗原接種1週後の抗体のピークは2倍程高く推移する(図1)。ブルセラ・アボルタス抗体価の推移では0.5%及び1%のキ添加区は対照区に比べ抗原接種1週後の抗体のピークは2倍以上高く推移する(図2)。 3. 5区分の各雌雄7羽(15週齢)の肉垂にヒトγグロブリンを接種する遅延型過敏反応では、0.25%及び0.5%のキ添加区は対照区に比べ接種24時間後の腫脹差が危険率5%で有意な差がみられる(図3)。 4. 抗体産生能や遅延型過敏反応から、0.5%のキトサン添加が効果的である。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 飼料添加をする場合、コスト等の問題で飼料会社との連携が必要であり、多くの生産現場で利用できるように実証試験が必要である。 2. 今後、キトサンの生産現場への普及には、病原体に対する効果判定が必要である。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
図表4 | ![]() |
カテゴリ | コスト 鶏 羊 |