タイトル | 飼料イネ用ロールベーラに装着する添加装置 |
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担当機関 | 三重科技セ |
研究期間 | 2004~2006 |
研究担当者 |
平岡啓司 松岡清隆 田中善之 小出 勇 乾 清人 浦川修司 |
発行年度 | 2004 |
要約 | 飼料イネ用ロールベーラに大型タンクを搭載した本装置は、添加材の補充作業を省力化することができる。さらに、添加量コントローラを組入れることにより、0.5~1.0%の間で添加量を制御することができる。 |
キーワード | サイレージ、飼料イネ、添加装置、乳酸菌、機体バランス |
背景・ねらい | 飼料イネは付着乳酸菌数が少ないことや茎が中空であること、さらに、軟弱な圃場での収穫作業を強いられること等からサイレージ発酵品質の劣質化が懸念され、生産現場では各種サイレージ添加材が利用されている。現在、飼料イネ用ロールベーラのオプション装備として実用化されている添加装置はタンク容量が小さく、また添加量の制御ができないことが問題点である。そこで、飼料イネ用ロールベーラの1日の作業量と添加量の制御が可能な効率的液材添加装置を開発する。 |
成果の内容・特徴 | 1. 開発した液材添加装置は機体側面に大型タンク(90リットル:550×W750×D236mm)を搭載したものである。飼料イネ用ロールベーラの1日の作業量を約1ヘクタール、イネ現物当りの添加率を0.5%および1.0%とすると、液材の補充作業は1~2回程度である(図1)。 2. 飼料イネ用ロールベーラで成形時に乳酸菌資材等を添加する場合、その添加量はベール成形時間によって異なり、ベール成形時間は作業速度やベール質量、収量等によって変化する。本装置はDC12V加圧ポンプ(ピストン方式)を可変抵抗器を用いて噴出量を制御することにより添加量を変えることができる(図1)。 3. 飼料イネ用ロールベーラの機体側面の液材タンクは開閉式とすることで、収穫作業時に生じるシェアピンの取り替え等のメンテナンスも容易に行うことができる(図1)。 4. 機体の前後および左右のバランスは、液材タンクが満量時ベールチャンバ内の草量が変化しても非常に安定していることから、実作業時に畦畔と圃場に落差がある場合でも安全に進入および退出することができる(図2)。 5. 1日の添加作業において、乳酸菌添加資材のpH、有機酸含量、微生物数は液材添加にともなうタンク内上部空間が増加(好気的条件下)しても安定していることから、液材の性状変化は認められない(表1)。 6. 目標添加量に相当したコントローラのダイヤル位置は、ベール1個当たりの成形時間を測定することで設定できる(表2)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 本装置は、多量の添加資材を搭載できるため、作業途中での液材補給作業が少なくなり、効率的作業が実施できる。 2. 極少量あるいは多量の液材を添加する場合はノズル等を変更する必要がある。 3. 正確な添加量の設定は、成形時間に加え、収量調査、ベール質量、材料草の水分含量等を測定する必要がある。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
図表4 | ![]() |
カテゴリ | 省力化 |