タイトル | 細断型ラップサイロ体系と固定サイロ体系によるトウモロコシサイレージ生産の比較事例 |
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担当機関 | 三重科技セ |
研究期間 | 2002~2003 |
研究担当者 |
浦川修司 吉村雄志 小出勇 平岡啓司 |
発行年度 | 2004 |
要約 | 細断型ロールベーラの導入効果を従来の固定サイロ体系と比較すると、収穫調製における全作業時間に大きな差は認められないものの、サイロ詰め作業の省力効果が大きく、細断型ラップサイロ体系によるトウモロコシサイレージの生産費は、固定サイロ体系と比較してもコスト高にはならない。 |
キーワード | 細断型ロールベーラ、トウモロコシ、サイレージ、作業時間、生産費 |
背景・ねらい | トウモロコシをロールベールに成形することのできる細断型ロールベーラが実用化され、全国的に高い注目を集めている。そこで、転換畑で栽培されたトウモロコシに対する細断型ロールベーラの導入効果について、作業性および生産費を中心に従来の固定サイロ体系と比較する。 |
成果の内容・特徴 | 1. 比較した両体系の概要は、転換畑で栽培されたトウモロコシに対して、従来体系は細断物をハイダンプワゴンで荷受けし、ダンプトラックに積み替えて輸送した後、フォーレージブロアでタワーサイロに詰め込む体系(以下、固定サイロ体系)であり、一方の細断型ロールベール体系は、ワンマン作業で刈取り・成形を行った後、自走式ベールラッパで密封し、ダンプトラックで密封ベールを輸送して保管場所でベールハンドラを用いて荷降ろす体系(以下、細断型ラップ体系)である(表1)。 2. 30a区画の転換畑で栽培されたトウモロコシの収穫作業における圃場作業量は、従来体系が36分,細断型ロールベーラが約38分であり,両体系に大きな差は認められない。但し,工程別作業時間において,細断型ロールベーラの牽引作業では従来体系におけるハイダンプワゴンの牽引作業よりも全長が長くなるため、旋回に多くの時間を要する(表2)。 3. サイレージ調製作業における全作業時間では、固定サイロ体系と細断型ラップ体系に差は認められないものの、固定サイロ体系の詰込み時間(約34分)にはブロアへの荷降ろし作業における人力作業が多く含まれているのに対して、細断型ラップ体系ではベールラッパとベールハンドラを用いた一貫した機械作業が可能となり、過酷な人力作業からの解放と省力効果が期待できる(表2)。 4. 調査農家の飼料作物生産体系において、トウモロコシサイレージの生産費を比較した場合、細断型ラップ体系は作業機械の減価償却費やネットおよびフィルムの資材費が必要となるものの、固定サイロを必要としないことから、細断型ラップ体系は固定サイロ体系よりもコスト高にはならない(表3)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 細断型ロールベールを導入する場合の導入効果の目安として利用できる。 2. 転換畑の細断型ロールベーラの作業時間は、オペレータの熟練度によって異なる。 3. 生産費は飼料作物の栽培面積や作業機、固定サイロ等の負担率で大きく異なる。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
カテゴリ | コスト 飼料作物 とうもろこし トウモロコシサイレージ 輸送 |