タイトル | 植繊機で破砕した木質資材の豚舎敷料利用 |
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担当機関 | 千葉畜総研 |
研究期間 | 2001~2003 |
研究担当者 |
岡崎好子 鈴木和美 |
発行年度 | 2004 |
要約 | 林地等から発生する梢、枝葉、抜根材や製材端材等の未利用木質資源を荒破砕後、植繊機で破砕した木質資材は、オガクズに比べると水分の吸収性が悪いが、オガクズ等と混合すると豚舎敷料として利用可能である。 |
キーワード | 植繊機、木質資材、豚舎、敷料 |
背景・ねらい | 家畜排泄物法が制定され家畜ふん尿は適正処理が必要であるが、養豚農家では多量の敷料に尿を吸着する踏み込み式の飼養管理を行うところもある。敷料に使うオガクズの需要の増加から価格の高騰や入手の困難を想定してより安価な代替敷料を模索する必要がある。一方で伐採や剪定により発生する未利用木質資源の有効利用が検討されており、この未利用木質資材を荒破砕した後、繊維をすりつぶすように破砕する植繊機で処理した木質資材が豚舎敷料に利用可能か検討する。 |
成果の内容・特徴 | 1. 木質資材は林地から運ばれた原料を1年程度露天に堆積し破砕機にかけることから水分は44.9%とオガクズに比べて高めである。容積重はオガクズが0.14kg/Lであったのに対し0.29kg/Lで重く感じられる素材である。植繊材の吸水量は240%でモミガラに近い(表1)。 2. 木質資材の粒度は堆積により大きい分画が減少するが、オガクズは0.125~2mmの粒子が主体であるのに対し、木質資材は広い範囲に分布し粗大な木片も少し含まれる(表2)。 3. 木質資材、オガクズ及び木質資材とオガクズを容積で等量混合した踏み込み式(敷料厚40cm)豚房における豚の発育や肢蹄等への影響はない。 4. 敷料は泥濘化部分を適宜搬出し、新しい敷料を投入した。 木質資材の場合は搬出回数が多く搬出量も多い。またふんとの混合性が悪く吸水性も劣りふん尿が多い場所は泥濘化しやすい (表3、図1)。 5. 敷料費は、オガクズ区が15,746円(20円/kg)であるが、木質資材区は6,330円(3.45円/kg)と安い。 6. 養豚農家において30~70kgの肥育前期の間、木質資材の利用性(踏み込み式で敷料約2.3?を15~20cm厚に敷き、12頭群飼)を調査した。 発育、肢蹄への悪影響もなく、排泄場所の敷料水分は高かったが、休息場所はおよそ50%以下で敷料の搬出や追加投入の必要がなく利用できる (表4)。 7. 木質資材を豚ふん尿と混合して水分70%程度に調整し堆積すると堆肥温度は60℃以上1ヶ月継続し、コマツナ発芽率への障害はなかった。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 木質資材の敷料利用は単独では難しいもののオガクズと混合することで豚舎敷料として利用可能である。 2. 原料には中毒を起こす物を含む可能性もあり、注意が必要である。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
図表4 | ![]() |
図表5 | ![]() |
カテゴリ | こまつな 飼育技術 豚 |