タイトル | 堆肥の施用量と肥効の計算支援 |
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担当機関 | 群馬畜試 |
研究期間 | 2002~2004 |
研究担当者 |
山田正幸 鈴木睦美 浦野義雄 松本尚子 |
発行年度 | 2004 |
要約 | 堆肥の肥料成分と栽培する作物の施肥量を入力すると、堆肥の施用量と堆肥から供給される肥料成分量を計算するExcelファイル(ソフト)を提供する。この活用は堆肥と化学肥料を併用する作物栽培において、肥料成分施用量の過不足を減少させ、環境にも配慮しながら堆肥を有効活用する手段となる。 |
キーワード | |
背景・ねらい | 個別農家ごとに生産される現状で堆肥の活用を図るためには、個別堆肥ごとの肥効予測とそれに基づいた化学肥料の併用が有効と考えられる。その際、面倒な肥効計算をソフトとして提供して簡便化し、環境に配慮した有効活用の推進を支援する。 |
成果の内容・特徴 | 1. 入力項目は、堆肥の種類、水分、電気伝導率、窒素、リン酸、加里と、栽培する作物の窒素、リン酸、加里施肥量である。出力は、堆肥施用量、堆肥から供給される窒素、リン酸、加里の量、堆肥施用により予想される土壌の電気伝導率の増加分である。 併用する化学肥料の量は施肥量と堆肥からの供給量の差である(図1)。 2. 計算根拠としては、栽培予定作物の窒素、リン酸、加里施肥量のどれかを施用する堆肥が満たす量を堆肥の施用量とする。堆肥の容積は中央畜産会の堆肥化施設設計マニュアルによる。窒素肥効は30℃3ヵ月培養の無機化率と全窒素の関係式(41×ln(全窒素%)-6)から求める(図2)。リン酸と加里は農耕地に集積気味の現状であることから、肥料代替え率を100%とする。電気伝導率の増加分は堆肥の電気伝導率×10ア-ル当たり施用量(トン)/50により求める。 3. 2000年から窒素含量の異なる5種類の堆肥を供試し、不足が予想される肥料成分を化学肥料で補う方法による野菜の栽培試験で予測の有効性を検証した。作物生育量は対照の化学肥料のみの処理区と比較して同等かそれ以上であり、養分吸収量も同等であった(図3)。このとき、窒素で10~90%、リン酸で80~100%、加里で60~100%の化学肥料を削減できた。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 精度よく堆肥の肥効を予測する手段を普及できるまでの間、特殊肥料の品質表示を活用して概略的な予測を行うことで当面の堆肥活用を図る手段を提供する。 2. 当面は普及などの指導機関での利用を想定している。 3. 標高400m以下の地域での春施用した場合の夏作での利用を想定している。反応速度論的解析の25℃変換日数で30℃3ヵ月培養を県内平坦地の4から9月の地温と比較すると概略的には一致する。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
図表4 | ![]() |
図表5 | ![]() |
カテゴリ | 肥料 施肥 |