タイトル | ニホンナシ新品種「あきづき」の予備枝を利用した花芽確保 |
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担当機関 | 茨城農総セ園研 |
研究期間 | 2002~2003 |
研究担当者 |
多比良和生 江橋賢治 佐久間文雄 |
発行年度 | 2004 |
要約 | 花芽の着生が少ないニホンナシ「あきづき」では、長さ 150cm程度の1年枝の先端を切り返さずに予備枝として利用し、先端部以外の新梢を摘心処理することにより、発育枝数を減少させ、短果枝及び先端新梢にえき花芽を着生させる。 |
キーワード | ニホンナシ、あきづき、予備枝、花芽、摘心 |
背景・ねらい | 果樹研究所で育成されたニホンナシ新品種「あきづき」は9月中旬~10月上旬に収穫となる食味良好な赤ナシである。茨城県では2004年までみつ症の発生は確認されていないが、関東東海北陸の一部地域ではみつ症と思われる生理障害の発生が確認されている。年次によりみつ症が多発する「豊水」や果実品質(特に硬さと肉質のザラツキ)に難のある「新高」にかえて普及が期待される。「あきづき」は「幸水」のようなえき花芽着生を目的とした予備枝では、花芽の着生が不安定な品種であるため、短果枝着生を主目的とした予備枝の利用方法について検討した。 |
成果の内容・特徴 | 1. 長さ 150cm程度の予備枝を利用すると、「幸水」で利用される長さ40~50cm程度の予備枝を利用した場合に比べて短果枝数及び先端新梢の花芽数が増加する(表1)。 2. 予備枝上の先端以外の新梢を6月上旬頃に摘心(摘心方法は図1を参照)すると、短果枝数は変わらないが、発育枝数が減少する(表2)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 長さ 150cm程度の予備枝は先端を切り返さず、冬季に水平面から30~45度程度に誘引する。生育期間中は先端の新梢以外は随時摘心する。 2. 果実肥大は長果枝よりも短果枝で優れるが、着果数を確保するため短果枝と長果枝の両方を利用する。 3. 長さが100cmに満たない1年枝については、冬季に全長の1/2~2/3残してせん定し、7月上旬頃に先端新梢が約45度になるように夏季誘引する。なお、花芽の着生が少なく側枝として利用できない場合には、短果枝着生を主目的とする予備枝として再利用する。 4. 主枝・亜主枝の先端部を高く配置する。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
カテゴリ | 新品種 生理障害 日本なし 品種 良食味 |