タイトル | 日長処理による秋咲きアリウム「オータムヴィオレ」の開花期拡大 |
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担当機関 | 福井農試 |
研究期間 | 1999~2004 |
研究担当者 |
小森治貴 坂本浩 |
発行年度 | 2004 |
要約 | 秋咲きアリウム「オータムヴィオレ」は、シェードによる短日処理を8月初めから6週間行う促成栽培と、電照による長日処理を9月初めから2週間行う抑制栽培を組み合わせることで、収穫期間を10月上旬から11月上旬まで拡大できる。 |
キーワード | 切り花用アリウム、日長処理、開花期拡大 |
背景・ねらい | 福井農試で育成した「オータムヴィオレ」は、ラッキョウにヤマラッキョウを交配し、秋に咲くアリウムとして切り花用に改良した品種である。しかし、開花が10月下旬の短期間に集中するため、生産現場から開花期の拡大が切望されている。そこで、日長処理による開花調節技術を明らかにする。 |
成果の内容・特徴 | 1. 短日処理(12時間日長、6~10週間)を7月1日から開始すると9月中下旬に、8月1日から開始すると10月上旬に開花する(表1)。 2. 短日処理をして9月末から10月上旬に開花させると、花の退色がなく切り花品質は低下しない(表2)。 3. 1週間のうち5日間連続で短日処理をして、その後2日間処理しないことを6週間繰り返す方法では、7月15日から処理を開始すると10月上旬に開花する(表2)。この方法を利用すると、自動シェード装置がない農家は連続の開閉作業をしなくても良い。 4. 電照による長日処理を9月3日から2週間与えると、11月上旬に開花する。電照期間を長くして11月中旬以降に開花を遅らせると、採花本数が低下するとともに小花数が減少して切り花品質が低下する(表3)。 5. 日長処理を組み合わせることで促成および抑制栽培が可能であり、切り花品質を加味すると、8月初めからの6週間の短日処理で10月上旬から、9月初めから2週間の長日処理で11月上旬まで開花期を拡大できる(図1)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 日長処理技術を「オータムヴィオレ」の生産農家へ導入することで、収穫時期の拡大による連続出荷が可能となり、所得の向上と労働力の分散を図ることができる。 2. シェードによる短日処理の時間帯は夕方18時から朝7時までの13時間(11時間日長)とする。 3. 長日処理の電照方法は、22時から2時までの4時間の暗期中断とする。電照設備はキクに使う電照用電球75Wを花蕾の頂部より60~100cmの位置に、2m間隔で1灯設置する。 4. 7月中に短日処理を開始して9月に開花させると、花色が薄くなり切り花品質は低下する。 5. 長日処理による抑制栽培では小花数が少なくなるため、小花数が確保しやすい秋植え栽培へ適用する。 |
図表1 | |
図表2 | |
図表3 | |
図表4 | |
カテゴリ | アリウム きく 出荷調整 品種 らっきょう |