タイトル | 四季成り性イチゴ新品種「栃木18号」 |
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担当機関 | 栃木農試 |
研究期間 | 1996~2004 |
研究担当者 |
植木正明 大橋幸雄 高際英明 栃木博美 重野 貴 出口美里 深澤郁夫 癸生川真也 稲葉幸雄 |
発行年度 | 2004 |
要約 | 四季成り性イチゴ品種「栃木18号」は夏秋どり栽培に適し、高品質で収量性が高い。 |
キーワード | イチゴ、夏秋どり栽培、四季成り性、果実品質 |
背景・ねらい | イチゴは、端境期の7月から10月にかけて業務用として高い需要がある。しかし、通常の一季成り品種では、夏秋期の果実生産が困難であることから、夏秋期を中心に年間5,000トン前後の生鮮イチゴが海外から輸入されている。そこで、端境期の国産イチゴの安定生産を図るため、高品質で収量性の高い四季成り性品種を開発する。 |
成果の内容・特徴 | 1. 育成経過 平成8年に四季成り性品種「セリーヌ」の実生を子房親に、果実硬度が高く日持ち性と食味が優れる「さちのか」を花粉親として交配し、交雑実生473個体を育成した。その中から、平成9年に96-64-13の系統を選抜した。96-64-13は四季成り性が強く、収量性、果実硬度、食味が優れていたため、平成11年に「栃木18号」の系統番号を付けた。平成13年から現地栽培試験を行い、平成16年に品種登録申請した。 2. 「栃木18号」の特性 1) 四季成り性品種としては、ランナーの発生が極めて良い(図2)。 2) 四季成り性が強く、夏秋期の花房出蕾の連続性に優れる。各花房の着花数はやや多い。 花房の連続出蕾による着果負担から心止まり株が発生しやすい。 3) 収量はペチカと同等で多収性である。果実の大きさは平均10.4gでペチカより大きい。果形は円錐形で果色は鮮紅色である。果実先端部分に不受精による奇形果(先青、 先づまり果)が発生することがある。果実が硬いため傷み果の発生が少なく、日持ち性 が優れる。糖度、酸度ともやや高く食味は良い(表1、2)。 4) 特定の病害に対する抵抗性はない(炭疽病、萎黄病、うどんこ病に罹病性)。適応作 型は夏季冷涼な中山間地域における夏秋どり栽培である。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 平地での栽培は、高温に起因する不受精果や、炭疽病、萎黄病およびアザミウマなど病害虫の被害が多発するため不適である。 2. 心止まり対策として、常時わき芽を2~3本確保する。 3. 平成16年7月に品種登録出願(出願中) |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
図表4 | ![]() |
カテゴリ | 萎黄病 いちご うどんこ病 害虫 新品種 多収性 炭疽病 中山間地域 抵抗性 品種 良食味 |