タイトル | ネギ良食味品種「湘南一本」の育成 |
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担当機関 | 神奈川県農総研 |
研究期間 | 2002~2005 |
研究担当者 |
河田隆弘 野呂稔 曽我綾香 北宜裕 |
発行年度 | 2004 |
要約 | 神奈川県育成の根深ネギ品種「湘南」から集団選抜により育成した新品種「湘南一本」は「湘南」の良食味を残し、葉折れの軽減、葉鞘首部の伸長性向上など栽培上の特性が改善され、実用的に分げつが少ない。 |
キーワード | |
背景・ねらい | 近年、輸入野菜の増加に伴い生産コストの削減と共に、販売における差別化が求められている。そこで、1960年に神奈川県で育成した根深ネギ固定品種「湘南」から集団選抜により、「湘南」の良食味を残し、葉折れの軽減、葉鞘首部の伸長性向上など栽培上の特性を改善した根深ネギの新品種を育成する。 |
成果の内容・特徴 | 1. 育成経過 1991年以降、本県育成の「湘南」を母集団に、「湘南」が持つ良食味という特性を維持しつつ、1)葉身分岐の間隔が長い、2)葉身が硬く、真直ぐで細長い、3)首締まりが良い、及び4)生長が早く、収量性が高い個体を毎年30個体前後の集団選抜を繰り返した。その後、2000年に分げつの痕跡が見られず、首締まりの良い約400個体をさらに選抜することにより当初の育種目標を満たす品種として「湘南一本」を育成した(図1)。 2. 「湘南一本」の特性 1) 親品種の「湘南」とは、葉折れの軽減(図2)や首伸びの良さなど栽培上の諸特性において明らかに区別性が認められる(表1)。 2) 耐暑・耐寒性にともに優れ、秋口から旺盛な生育を示すなど収穫適期の幅は広い。葉折れが少ないため機械作業にも適する。 3) 株間3cmで栽培したときの分げつ株率は10%前後で、3月に入ると抽だいが始まるので、収穫は2月末まで可能である。 4) レオメータで測定した葉鞘部の破断強度は市販品種に比べ低く(図3)、一般モニターによる食味評価と一致する。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 「湘南一本」は市販品種に比べ柔らかな食感をもち、良食味品種として直売等での差別化販売に適している。 2. 剥きねぎ用の栽培では株間を3cm程度に狭めて栽培することにより、分げつが抑えられる。 |
図表1 | |
図表2 | |
図表3 | |
図表4 | |
カテゴリ | 育種 コスト 新品種 耐寒性 ねぎ 品種 良食味 |