タイトル | トマト「越のルビー」の少量培地栽培における灌水施肥と培地の温度管理 |
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担当機関 | 福井園試 |
研究期間 | 2002~2004 |
研究担当者 |
杉本義則 辻岡隆雄 定政哲雄 |
発行年度 | 2004 |
要約 | ミディトマト「越のルビー」の少量培地栽培はプラスチック製樋型ドレンベッドを用い赤外線フィルムとアルミ蒸着フィルムで2重に被覆する。一株2本整枝栽培(主枝第6花房上摘心)の一株当たり吸水量は1日当たり最大でも3Lを超えることはない。 |
キーワード | ミディトマト、越のルビー、少量培地 |
背景・ねらい | 低地水田地帯は地下水位が高く、トマトの地床栽培では果実の品質劣化が問題となる。特に、ミディトマト「越のルビー」は糖度の低下を招き易い。このため、湿害や連作障害の懸念が少なく、管理も容易な少量培地栽培技術を組み立てる。 |
成果の内容・特徴 | 1. 栽培槽はプラスチック製樋型ドレンベッド(長さ1.2m、幅34cm、深さ17cm、培地容量30L)を用いる。苗は1ベッドに3株を定植する(株間40cm)。栽培槽は赤外線フィルムとアルミ蒸着フィルムの2枚で被覆し、アルミ蒸着フィルムは取り外しができるように配置する。施肥は点滴灌水チューブを用い灌水同時施肥で行う。また、pF計センサーを使い灌水制御を行う(図1)。 2. 栽培槽は赤外線フィルムとアルミ蒸着フィルムで2重に被覆すると、培地の温度較差が小さくなり、特に、夏期の強い日射による培地温度の異常な上昇を回避することができる(図2)。 3. ミディトマト「越のルビー」の少量培地栽培において、一株2本整枝栽培(主枝第6花房上摘心)では、第4花房開花期以降の一株当たりの吸水量は、好天時の場合でも1日当たり3Lを超えることはなく、2,500ml前後で推移する(図3)。 4. 同じく、主枝第6花房上を摘心した一株2本整枝栽培において、第4花房開花期以降の一株当たりの吸水量は、好天時の場合でも1時間当たり200~250ml前後で推移し、最大でも300mlを超えることはない(図4)。以上のことから、強い日射時の灌水は、一株を目安に1時間当たり200~250ml、一日の灌水量が3Lを超えない範囲で実施する。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 水田地帯のミディトマト栽培に活用できる。 2. 同一培地における連作は5回繰り返したが、連作障害等は発生していない。 3. 赤外線フィルムは通年被覆するが、アルミ蒸着フィルムは低温期には被覆しない。 4. 施肥は市販の養液栽培用肥料処方の0.3~0.5単位で使用する。 5. 過剰な灌水は果実の裂果を発生させるので、雨天時の灌水は行わない。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
図表4 | ![]() |
カテゴリ | 肥料 温度管理 栽培技術 湿害 水田 施肥 トマト 養液栽培 連作障害 |