AFLP法による東・南アジアのメロン遺伝資源の遺伝的関係の解析

タイトル AFLP法による東・南アジアのメロン遺伝資源の遺伝的関係の解析
担当機関 茨城農総セ
研究期間 1994~2015
研究担当者
発行年度 2004
要約 AFLP法によると日本の網メロンとマクワ・シロウリ類は、どちらも遺伝的変異の小さい集団である。マクワとシロウリ類は一つのグループに分類され、また、南アジアの小粒系と密接に関係する。一方、インドのメロンは極めて遺伝的変異に富み、育種素材として有望である。
キーワード AFLP法、東・南アジア、メロン、遺伝的変異、マクワ、シロウリ、育種
背景・ねらい メロン(Cucumis melo L.)は熱帯から温帯地域にかけて栽培されている最も重要な野菜の一つであり、果実の大きさ、形、色、味などに様々な変異が存在するが、形質が連続的であるため、これらの形質に基づく変種分類は困難である。一方、東・南アジアのメロンにはうどんこ病やつる割病などの病害抵抗性を有する重要な遺伝資源が多いことが知られており、その育種的利用のためには類縁関係を明確にしておく必要がある。そこで、日本、中国、韓国等の東アジア並びにインド、ミャンマー等の南アジアから収集したメロン遺伝資源99系統149個体について、AFLP法により遺伝的類縁関係を解析する。
成果の内容・特徴 1.
日本の網メロン(var. reticulatus)とマクワ・シロウリ類(vars. makuwa and conomon)の集団内変異は小さい。一方、変種名不詳の大粒系(種子の大きさ9.0mm以上)と小粒系(同9.0mm未満)(Akashi et al., 2002)のメロンは極めて変異に富み、県のオリジナル品種を育成する上の育種素材として有望である(表1)。
2.
系統間の近縁関係を図示する主座標分析により、種子の大きさが9.0mm以上の網メロン、疣メロン、冬メロン、モモルディカメロンおよび変種名不詳の大粒系と種子の大きさが9.0mm未満のマクワ、シロウリおよび変種名不詳の小粒系は明らかに異なる分布を示し、グループ化が図れる(図1)。
3.
主座標分析により、網メロンである日本の市販品種は互いに近接して分布することから、遺伝的には極めて近縁である(図1)。
4.
主座標分析により、マクワとシロウリが一つのグループを形成し、しかも南アジアの小粒系に近い位置に分布することから両変種を分類上区別するのは困難である。また、両変種の起源に南アジアの小粒系が密接に関係していることが示唆される(図1)。
成果の活用面・留意点 1.
遺伝的多様性に富む東・南アジア在来メロン遺伝資源の利用により、多様なタイプのメロン品種の育成が期待できる。
2.
AFLP法は制限酵素で切断されたDNA断片の長さの違いをPCRにより選択的に増幅させて検出する方法である。
3.
主座標分析は149個の対象各々の対の間の類似度について数値化し、類似度の高い対は近くに、低い対は遠くに位置づけるように、各対象を表現して解析する方法である。
図表1 217744-1.gif
図表2 217744-2.gif
カテゴリ 育種 遺伝資源 うどんこ病 しろうり 病害抵抗性 品種 メロン もも

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