タイトル | 国内主要イチゴ17品種等を識別可能なDNAマーカー |
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担当機関 | 栃木農試 |
研究期間 | 2002~2004 |
研究担当者 |
小林俊一 天谷正行 田崎公久 柏谷祐樹 |
発行年度 | 2004 |
要約 | 6種類のプライマーセットで検出する9つのRAPD-STS化マーカーで国内主要イチゴ品種等(17品種・系統)が識別できる。「とちおとめ」に関してはマルチプレックスPCRで効率的に識別できる。 |
キーワード | イチゴ、品種識別、DNAマーカー、RAPD、STS |
背景・ねらい | 種苗法による育成者権の保護、また、JAS法による農産物の表示義務等によりDNAレベルでの品種識別が重要となっている。イチゴにおいても流通過程でのチェックや食品加工における材料の確認等に利用されることが想定され、より簡易で効率的な識別方法および品種特異的なマーカーの開発が必要である。そこで、本県育成イチゴ品種である「とちおとめ」および「とちひめ」を含む国内主要17品種・系統を識別できる簡易なDNAマーカーを開発する。 |
成果の内容・特徴 | 1. RAPD法により検出された国内主要8品種(とちおとめ、とよのか、さちのか、章姫、さがほのか、福岡S6号(あまおう)、女峰、アスカルビー、8品種で国内作付面積約93%)を含むイチゴ17品種・系統を識別できるマーカーをSTS化した結果、13個のSTS化マーカーが作製できた。 2. 本県育成品種である「とちおとめ」に関してはプライマーセットRAPD-STS-1-F・RおよびRAPD-STS-2-F・Rを用いてマルチプレックスPCRを行うことにより、1回のPCRで識別が可能である(図1-A、表1)。「とちおとめ」識別マーカーは、親である「栃の峰」由来マーカーであり、極めて品種特異的なマーカーである。「とちひめ」に関してはプライマーセットRAPD-STS-3-F・RまたはRAPD-STS-4-F・Rを用いることにより識別が可能である(図1-B、-C、表1)。 3. 国内主要8品種(とよのか、とちおとめ、女峰、さちのか、章姫、さがほのか、福岡S6号(あまおう)、アスカルビー)内を識別する場合、3種類のプライマーセットによる6マーカーの組合せ(RAPD-STS-6、7、13-F・RまたはRAPD-STS-7、8、13-F・R)で識別が可能である(図1、表1)。17品種・系統の識別には6種類のプライマーによる9マーカーの組合せ(RAPD-STS-5、6、7、8、10、13-F・RまたはRAPD-STS-6、7、8、10、11、13-F・R)で識別が可能である(図1、表1)。 |
成果の活用面・留意点 | 本プライマーセットは17品種・系統内のみ識別が可能である。他の品種について適用する場合は、本プライマーセットにおけるバンドパターンを17品種・系統間と比較することが必要である。同一のパターンを示した場合、新規マーカーの開発が必要である。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
カテゴリ | いちご 加工 DNAマーカー 品種 |