タイトル | 有効成分を多く含む桑葉粉末の製造法 |
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担当機関 | 新潟県農業総合研究所食品研究センター |
研究期間 | 2000~2002 |
研究担当者 |
浅野聡 中島正晴 |
発行年度 | 2004 |
要約 | 凍結真空乾燥した桑葉をヘキサン等で脱脂後、気流粉砕機等で微粉砕とすることにより、従来の通風乾燥法に比し有効成分を多く含み食品への利用性の高い桑葉粉末が調製できる。 |
キーワード | 桑葉、凍結真空乾燥、デオキシノジリマイシン、血糖値 |
背景・ねらい | 桑園は養蚕業の衰退による遊休化および中山間地農業の活性化から有効な利用法が望まれている。一方、近年の研究から桑葉には食後血糖値の上昇抑制効果など薬理作用のあることが明らかにされ機能性食品素材として見直されている。しかし、従来の乾燥方法により処理された粉末では有効成分の減少が著しく、桑葉の有効性を保持した加工食品の開発が困難であった。そこで有効成分の減少を抑えることのできる新たな桑葉処理法を開発する。 |
成果の内容・特徴 | 1. 新鮮な桑葉を水で洗滌し-30℃以下で冷凍する。これを凍結真空乾燥後、粉砕機等で粗粉末状にし、ヘキサン等で脱脂後、減圧濃縮などにより有機溶剤を除去し、さらに気流粉砕機等で微粉末とする。ヘキサン等で脱脂することによりエグ味、青臭みが少ない粉末となる。また、凍結真空乾燥法を用いることにより、従来の乾燥法よりポリフェノール類、デオキシノジリマイシン(DNJ)等の有効成分が多く残存する桑葉粉末を製造することができる(図1)。 2. この桑葉粉末は一晩絶食させた生後6週齢のWistar系雄性ラットによるショ糖負荷試験(4匹/群)から10mg/kgの摂食量でも血糖値上昇抑制効果を有する(図2)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 有機溶剤を使用するため、換気設備等の安全設備がある施設が必要である。 2. 当該製品を販売する場合、効能等の表示に注意する必要がある。 3. 桑葉は養蚕用で農薬の散布されていない物を使用する。 4. 採取する時期及び場所によって成分の量に相違が生ずる可能性がある。 |
図表1 | |
図表2 | |
カテゴリ | 病害虫 カイコ 加工 乾燥 桑 機能性食品 中山間地域 農薬 |