タイトル | オキアミ由来アスタキサンチン赤色天然色素退色防止法 |
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担当機関 | 石川農研 |
研究期間 | 2002~2006 |
研究担当者 |
三輪章志 吉川基世 林美央 山田幸信 |
発行年度 | 2004 |
要約 | エタノール溶液中でオキアミ由来アスタキサンチン赤色天然色素、アミノ酸、澱粉とサイクロデキストリン合成酵素を反応させた後に有機酸を添加して色素沈殿を形成することで、赤色天然色素CDラップが製造でき、色素の光による退色防止ができる。 |
キーワード | 赤色天然色素、アミノ酸、エタノール、サイクロデキストリン合成酵素、有機酸、CDラップ、退色防止 |
背景・ねらい | オキアミ由来アスタキサンチン赤色天然色素(赤色天然色素)は、抗酸化能が強く機能性成分として注目されているが、光に当たることで退色しやすいため加工食品には利用しにくい。そこで、赤色天然色素の光による退色の防止を目的に赤色天然色素CDラップ製造法を開発する。 1. 赤色天然色素を20%エタノール溶液に溶解し、液化澱粉、アミノ酸(グリシン)とサイクロデキストリン合成酵素を加えて60℃2時間酵素反応させた後に、有機酸を添加し15℃で24時間放置すると色素沈殿を形成した赤色天然色素CDラップが製造できる(図1、写真)。 2. 添加した15種類の有機酸のうち、クエン酸カルシウム、乳酸ナトリウム以外の13種類の有機酸を添加すると赤色天然色素を濃縮した沈殿の形成が可能である(写真)。 3. 13種類の有機酸を添加して製造した赤色天然色素CDラップのうちアルコルビン酸>クエン酸3ナトリウム>DL-リンゴ酸ナトリウムの順で光照射(10日間24時間照射)に対する防止効果が高い(表1)。 4. 赤色天然色素をエタノール水溶液に溶解しただけの対照と有機酸添加赤色天然色素CDラップの光による退色防止効果を比較しても、対照は6日目で完全に退色するのに対し、有機酸添加赤色天然色素CDラップは、退色防止効果が認められる(図2)。 |
成果の内容・特徴 | 1. 赤色天然色素を20%エタノール溶液に溶解し、液化澱粉、アミノ酸(グリシン)とサイクロデキストリン合成酵素を加えて60℃2時間酵素反応させた後に、有機酸を添加し15℃で24時間放置すると色素沈殿を形成した赤色天然色素CDラップが製造できる(図1、写真)。 2. 添加した15種類の有機酸のうち、クエン酸カルシウム、乳酸ナトリウム以外の13種類の有機酸を添加すると赤色天然色素を濃縮した沈殿の形成が可能である(写真)。 3. 13種類の有機酸を添加して製造した赤色天然色素CDラップのうちアルコルビン酸>クエン酸3ナトリウム>DL-リンゴ酸ナトリウムの順で光照射(10日間24時間照射)に対する防止効果が高い(表1)。 4. 赤色天然色素をエタノール水溶液に溶解しただけの対照と有機酸添加赤色天然色素CDラップの光による退色防止効果を比較しても、対照は6日目で完全に退色するのに対し、有機酸添加赤色天然色素CDラップは、退色防止効果が認められる(図2)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 赤色天然色素の光による退色を防止させることで、赤色天然色素の食品への利用範囲拡大が期待できる。 2. 赤色天然色素CDラップは、ペースト状であるため食品に練り込んで使う必要がある。 3. 食品以外の分野でも色素として利用可能である。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
図表4 | ![]() |
カテゴリ | 加工 機能性成分 りんご |