タイトル | パン用硬質小麦「東山38号」の奨励品種採用 |
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担当機関 | 長野県農事試験場 |
研究期間 | 2001~2004 |
研究担当者 |
斎藤稔 細井淳 |
発行年度 | 2004 |
要約 | グルテンが強靱で製パン性に優れた硬質小麦「東山38号」を奨励品種に採用する。 |
キーワード | 小麦、製パン性、奨励品種、硬質 |
背景・ねらい | 長野県では食材に関する地産地消の気運が近年高まっており、中でも学校給食に国産小麦を使用したパンを供給したいという要望は強い。しかし、従来より国内のパン用硬質小麦品種の多くがパン用小麦の安定供給に適さない晩生品種であり、この要望を満たすことはできなかった。 「東山38号」は中生の品種であり、製パン性に優れている。この品種の導入により、国内産の小麦によるパンの安定供給が可能となるとともに、うどん以外の用途という新規の市場開拓によって麦の生産拡大に寄与できる。 |
成果の内容・特徴 | ・長所 1) 播性程度はIIで、出穂期・成熟期はシラネコムギ並の中生種である(表1)。 2) シラネコムギより穂長はやや長く、穂数は多い(表1)。 3) 千粒重はシラネコムギよりも大きい(表1)。 4) 穂発芽性はやや難でシラネコムギより優る。 5) 蛋白質含有率はシラネコムギよりも高い(表2)。 6) シラネコムギより製粉歩留りが良い(表2)。 7) パンの官能評価はシラネコムギより優れる(表3)。 ・短所 1) 耐寒性・耐雪性はシラネコムギより劣る(表1,飯山および原村)。 2) 耐倒伏性はシラネコムギより劣る(表1)。 3) 収量性はシラネコムギとよりやや劣る(表1)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 普及地帯:標高700m以下の麦作地帯 2. 耐倒伏性に劣るので、施肥量と施肥時期に留意する。 3. 重点的に普及定着を図る予定の松本市では収量および千粒粒が確保しやすい上に蛋白質含有率もシラネコムギより高いので、現地の評価は良好である。 |
図表1 | |
図表2 | |
図表3 | |
カテゴリ | 硬質小麦品種 小麦 生産拡大 施肥 耐寒性 品種 |