タイトル | 土壌理化学性改善による青果用かんしょの収量、外観品質の向上 |
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担当機関 | 茨城農総セ |
研究期間 | 2002~2004 |
研究担当者 |
折本美緒 池羽正晴 塚本心一郎 茂垣慶一 |
発行年度 | 2004 |
要約 | 下層土までの可給態リン酸含量の改善、オガクズ牛ふん堆肥300kg/aの投入および深さ40cm付近までの深耕を組合せることにより、青果用かんしょの収量、外観品質は向上する。 |
キーワード | 青果用かんしょ、土壌理化学性、収量、外観品質 |
背景・ねらい | 本県の青果用かんしょは約5,800ha作付けされ、重要な畑作物に位置づけられている。しかし、本県産の青果用かんしょは形状など外観品質が悪いため単価が低迷しており、高品質化による商品性の向上が求められている。青果用かんしょの主産地である行方台地の畑圃場は、腐植含量が少なく、深さ10~20cm付近の浅い位置に耕盤が形成され、下層土の可給態リン酸含量が低い圃場が多い。そこで、リン酸質資材による土壌改良、オガクズ牛ふん堆肥の投入および深耕を組合せて土壌理化学性を改善し、かんしょの収量と外観品質の向上を図る。 |
成果の内容・特徴 | 1. 下層土の可給態リン酸含量が低い現地圃場において、(1)深さ40cmまでの土層に対して可給態リン酸含量を10mg/100gに改良するようにリン酸質資材を施用するとともに、(2)オガクズ牛ふん堆肥300kg/aを散布した後、(3)深耕ロータリで深さ40cm付近まで深耕して土壌理化学性を改善する。 2. 改善圃場は、浅い位置の耕盤がみられなくなり、深さ40cmまでの可給態リン酸含量が10mg/100g(乾土当り)以上に改善され、気相率が高くなり、膨軟な作土が確保される(図1、表1)。 3. リン酸改良、堆肥投入および深耕の3処理を組合せた改善圃場は、未改善圃場に比べて上いも重が10~20%上回る。なお、リン酸改良と深耕あるいは深耕のみの処理ではリン酸改良、堆肥投入、深耕の3つを組合せた処理に比べて効果が劣る(表2)。 4. 改善圃場は、未改善圃場に比べてB品、C品(曲がりいも、尻こけいも等)等が少なく、長紡錘形のいもが多くなりA品率が高い(表2、図2)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 供試品種はベニアズマ(ウィルスフリー系統:KA-7)、作型は普通掘りの黒マルチ栽培である。淡色黒ボク土での試験結果である。 2. オガクズ牛ふん堆肥の成分は、N:P2O=1.1:1.1:2.9(乾物%)、C/N比16.9である。 3. リン酸改良は、作土および下層土の可給態リン酸含量が10mg/100g(乾土当り)以下の場合おこなう。 4. オガクズ牛ふん堆肥は完熟な堆肥(C/N比20以下)を使用し、土壌改良は挿苗1ヶ月前までに実施する。 5. 深耕ロータリは耕深を確保するようおこない、資材及び堆肥が十分に混入するようにする。 |
図表1 | |
図表2 | |
図表3 | |
図表4 | |
カテゴリ | 肥料 かんしょ 土壌改良 品種 |