タイトル | 葉ネギの潅水同時施肥(養液土耕)栽培における適正な養水分管理 |
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担当機関 | 静岡農試 |
研究期間 | 2001~2004 |
研究担当者 |
山本光宣 松本昌直 高橋和彦 |
発行年度 | 2004 |
要約 | 砂丘未熟土における葉ネギの養液土耕栽培では、播種後約20日目から約30日間NPK濃度を各45mg/lで1日1回、その後収穫時までの濃度を320mg/lとして3~4日に1回の間隔で施肥することにより、慣行栽培の半量以下の施肥量で同等以上の収量・品質が得られる。 |
キーワード | 葉ネギ、葉色、潅水同時施肥、養液土耕、砂丘未熟土、施肥削減 |
背景・ねらい | 静岡地区の砂丘未熟土で栽培される葉ネギについて、環境負荷軽減と施肥の省力化・コスト削減を目的に、養液土耕栽培の導入要望が高まっている。これまでの試験で養液土耕栽培では慣行栽培と同等の収量が得られるものの、葉色が薄くなる傾向がみられた。このため本試験では慣行栽培と同等の収量を得つつ、葉色も向上させる管理方法について検討する。 |
成果の内容・特徴 | 1. 播種後約20日間は無施肥とし、手潅水(1平方メートル当たり約5リットル)のみで栽培する。その後約30日間を前半、以降収穫時までの約30日間を後半施肥として養液濃度を変更して栽培する。肥料は市販の養液土耕用複合肥料(15-15-15)を用い、これを希釈して施用する。 2. 1回の点滴量は1平方メートル当たり約2リットルとし、前半約30日間は1日1回、後半約30日間は3~4日に一度点滴施肥する。 3. 養液土耕栽培ではいずれも慣行並みの収量が得られ、養液窒素・リン酸・カリ濃度をそれぞれ前半45mg/l、後半320mg/lで栽培すると最も葉色が濃くなる(表1)。 4. 養液土耕栽培は窒素利用率が高く施肥効率が良い(表1)。 5. 現地でも栽培後半は潅水を控える管理をしており、現地の潅水時期の土壌水分(12~13%)と比較しても点滴施肥間隔は3~4日に一度が適当である(図1)。 6. 肥料コストを比較すると養液土耕栽培の方が安価である(表2)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 本試験は現地の地床栽培と異なり、全農型ドレンベッド(1.35×0.85m)に現地土壌を深さ20cmまで充填して行った。ノズル間20cmの点滴チューブをベッド中央に40cm間隔で2本敷設している。 2. 播種は点滴チューブ中心から10cm幅に帯状に播種(10×15cmに約45粒)した。 3. 堆肥・土壌改良資材等は施用していない。 4. 慣行栽培は有機配合肥料(4-6-5)を播種後35日目に窒素量として8kg/10a、その20日後に化成肥料(10-3-10)を窒素量で10kg/10a施用している。 5. 点滴施肥開始の目安は株元の地表面深さ1cm程度が白く乾燥していて、それ以下が黒く湿っている状態である。 6. 本試験は10月下旬播種、1月上旬収穫の作型であり、栽培時期により施肥量と点滴施肥間隔を調整する必要がある。 7. 潅水同時施肥の設備や機械は該当地域で栽培される葉ショウガやエダマメにも共用が可能である。 |
図表1 | |
図表2 | |
図表3 | |
カテゴリ | 肥料 えだまめ 乾燥 コスト しょうが 省力化 施肥 土壌改良 ねぎ 播種 |