タイトル | 葉ショウガの潅水同時施肥(養液土耕)栽培における適正施肥量 |
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担当機関 | 静岡農試 |
研究期間 | 2001~2004 |
研究担当者 |
山本光宣 松本昌直 高橋和彦 |
発行年度 | 2004 |
要約 | 砂丘未熟土における葉ショウガの養液土耕栽培では、定植40日後から約25日間NPK濃度を各120mg/l、その後収穫までの約25日間各160mg/lの点滴施肥を行うことにより、現地慣行(約50kg/10a)より大幅に少ない施肥量(約14kg/10a)で同等の収量が得られる。 |
キーワード | 葉ショウガ、潅水同時施肥、養液土耕、砂丘未熟土、施肥削減 |
背景・ねらい | 静岡地区で栽培される葉ショウガについて、環境負荷軽減と施肥の省力化とコスト削減を目的に、養液土耕栽培の導入要望が高まっている。しかし、この地域の砂丘未熟土における葉ショウガ栽培での導入例はなく、栽培の可否や適正な養液濃度も不明である。本試験では慣行栽培と同等の収量を得るための効率的な養液施肥方法について検討する。 |
成果の内容・特徴 | 1. 定植後、草丈が20cm前後になるまでの40日間は無施肥とし、手潅水のみで栽培する。その後約25日間を前半、以降収穫時までの約25日間を後半として、養液濃度を変更して栽培する。肥料は市販の養液土耕用複合肥料(15-15-15)を希釈して施用する。 2. 前半の窒素・リン酸・カリ濃度をそれぞれ45~90mg/l、後半を160mg/lで栽培すると収量は低い(調整重6000kg/10a前後)が、前半120mg/l、後半160mg/lで栽培すると最も多収となる。この場合の施肥量は窒素・リン酸・カリ各13.9kg/10aとなり、現地慣行施肥量(窒素52.8、リン酸26、カリ26kg/10a)に比べて大幅に少ない。(表1、図1)。 3. 点滴施肥は1日1回1平方メートル当たり約2リットルとする。栽培中は土壌表面が乾燥しないように注意する。乾燥した場合は軽く手潅水で湿らせる。 4. 現地サンプルと差がみられる成分もあるが品質には問題ない。(表2)。 5. 肥料コストを比較すると養液土耕栽培の方が安価である(表3)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 本試験は現地の地床栽培と異なり、全農型ドレンベッド(1.35×0.85m)に現地土壌を深さ20cmまで充填して行った。ノズル間20cmの点滴チューブを中央に1本、その両側に15cm離して2本の計3本敷設している。 2. 種ショウガは現地と同じ栽培密度になるように、1ベッド当たり約5kgを深さ約8cmに均一間隔で定植している。 3. 定植後、出芽促進と保温・乾燥防止のため約50日間トンネル被覆を行う。 4. 堆肥・土壌改良資材等は施用していない。 5. 本試験では栽培中に高温乾燥の悪条件となり、Lサイズが減りMサイズが多くなった。 栽培期間中はなるべく多湿な環境に保つことが重要である。 6. 本試験は3月上旬定植、5月下旬収穫の作型であり、栽培時期により若干施肥量の調整が必要である。 7. 潅水同時施肥の設備や機械は該当地域で栽培される葉ネギやエダマメにも共用が可能である。 |
図表1 | |
図表2 | |
図表3 | |
図表4 | |
カテゴリ | 肥料 えだまめ 乾燥 コスト 栽培技術 しょうが 省力化 施肥 土壌改良 ねぎ |