タイトル | キャベツバーティシリウム萎凋病のキタネグサレセンチュウによる発病助長 |
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担当機関 | 群馬農技セ |
研究期間 | 1999~2003 |
研究担当者 |
吉澤仁志 漆原寿彦 酒井 宏 日戸正敏 |
発行年度 | 2004 |
要約 | キャベツバーティシリウム萎凋病の発病は、キタネグサレセンチュウによって助長される。キャベツ定植時の本線虫密度が高いほど発病程度が高まる。本線虫防除は、本病の発病抑制対策として有効である。 |
キーワード | キャベツ、バーティシリウム萎凋病、キタネグサレセンチュウ |
背景・ねらい | 群馬県嬬恋村でキャベツバーティシリウム萎凋病が発生し生産を阻害している。本病は比較的近年に発生したため、発生生態については未解明な点が多い。一方、本病と同じくバーティシリウム菌が引き起こすハクサイ黄化病、ダイコンバーティシリウム黒点病の発病はキタネグサレセンチュウによって助長されることが知られている。そこで、本病の発病に及ぼすキタネグサレセンチュウの影響について検討した。 |
成果の内容・特徴 | 1. 嬬恋村(1999年)のキャベツ栽培圃場の多くは、キタネグサレセンチュウ密度が高い(図1)。また、本病抵抗性が弱~中の品種を作付けした圃場では、キタネグサレセンチュウの密度が高いほど発病株率が増加する傾向がある。 2. キャベツバーティシリウム萎凋病は、病原菌密度が100個/乾土1g(本線虫が存在しない場合10~30%の株が発病する程度)のとき、キタネグサレセンチュウによって、発病株率(図2、3)、発病度(データ省略)が高まる。 3. 病原菌密度100個/乾土1gの場合、キャベツ定植時のキタネグサレセンチュウ密度が高いほど発病株率(図3)、発病度(データ省略)が高まる。 4. 以上のことから、キタネグサレセンチュウは、キャベツバーティシリウム萎凋病の発病を助長している。 5. キタネグサレセンチュウが存在しなくても、病原菌密度が高い場合は100%の株が発病する(図2)。 6. 本病発生圃場においてキタネグサレセンチュウを防除すると、本病の発病度は無防除区の半分以下に低下する(表1)。従って、キタネグサレセンチュウ対策は、本病の発病抑制対策として有効である。 |
成果の活用面・留意点 | 1. ホスチアゼート粒剤はキャベツのネグサレセンチュウに対して農薬登録はないが、カズサホス粒剤は登録申請中である。 2. 本病が甚発生している圃場は、病原菌密度が高いことが想定され、キタネグサレセンチュウ防除だけでは、発病が軽減されない可能性がある。このような圃場では、抵抗性の強い品種の利用や作型の変更といった他の防除法と組合わせた方がよい。 |
図表1 | |
図表2 | |
図表3 | |
図表4 | |
カテゴリ | 病害虫 キャベツ 栽培技術 だいこん 抵抗性 農薬 はくさい 品種 防除 |